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『仕事道楽』(読書メモ)

鈴木敏夫『仕事道楽:スタジオジブリの現場』岩波新書

ジブリの代表取締役でありプロデューサーの鈴木氏が、ジブリに関係する人々について書いたもの。ちなみに、僕はあまりジブリ作品が好きではない(嫌いでもないが)。

本書を読んで三つのことが印象に残った。

一つは、宮崎駿さんと高畑勲さんの性格。かなり自分勝手なのに、素直なこと。強烈な信念に裏づけられた芯の強さと、信頼している人からのアドバイスには耳を傾ける謙虚さ。これらが同居しているからこそ、新しいものを創造できるのかもしれない。

二つめは、作品をつくっている過程では結末が決まっていないらしいこと。例えば、ハウルの絵コンテを4分の3ほど描き終えた宮崎氏は「どうしよう?どうやって終わらせたらいい?」と鈴木氏に相談しに来たという。

三つめは、ジブリには長期的目標や戦略がないこと。とにかく、目の前の一つ一つの作品に集中して、よい作品づくりだけを考えてきたらしい。

「強い信念と素直さ」「走りながら考える」「目の前のことに集中する」。これらは質の高い作品を作り上げる上で大切な要素になるのかもしれない、と感じた。
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