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10年間の基礎体力づくり

小説家の北方謙三さんは、22歳で純文学作家デビューするものの、その後10年間は、小説を100本書いて、掲載されたのは3本だけだったらしい。

あるとき、若手編集者から「あなたはこんな暗い話を書いている場合じゃない」とエンターテイメント小説をすすめられる。

それからは水を得た魚のようにヒット作を連発することに。アドバイスしてくれる人も大切だが、受け入れた北方さんも偉いと思った。

ところで、純文学を書いていた10年間はムダだったのか?

実は、10年間、純文学を書き続けたことで「月に千枚書いても文章が乱れなくなった」という。

つまり、初めの10年は小説家としての基礎体力作りの期間だったのだ。

一見ムダな経験も、その人を創り上げる働きをしていることがわかった。

出所:日本経済新聞2019年6月30日, p. 23.(中野稔「一途な青春 はるかなり」)



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