みどりの野原

野原の便り

11月12日 橿原周辺 万葉植物を見ながら史跡めぐり

2023年11月12日 | Weblog

万葉植物を巡る野外講座に参加


天神大橋を渡った向こうには「牟佐坐神社」(見瀬町)
孝元天皇が即位した「軽 境原宮」伝承地。


麓には柿本人麻呂の歌碑がある。
妻が死にし時に泣血哀慟して作る歌2首 併せて短歌
この内の、長歌の一部が刻まれている。
それには、「・・亡くなった後、奥さんがいつも来ていたという軽の市に来てみたが、声も聞こえず、似た人もいず、どうしようもなく名を呼んで袖を振ってみた」

妻の面影を追って「軽の市」に行ってみるとは。切ない気持ちが伝わるけれど・・
長歌の前半には「いつも会いたいと思うけれど、人目につくし、度々行くのも人に知られるしと次に会うことを思っている内に使いのものから亡くなったことを聞き・・」とある。
人目を偲ぶ妻だったのか。

国道169号線を西へ、丸山古墳へ。


こんもり見える丸山古墳後円部


墳丘へ登り道。初めて登る。

丸山古墳
6世紀後半の築造。全長310mある前方後円墳 
全国の前方後円墳では6番目の大きさ。県内で最大。
両袖式横穴式石室の中に2基の刳抜式家型石棺が収まっているという。
あまりに大きいため、全体像がわからず、円墳と考えられていた時代もあったらしい。
全体像がわからなかったからか?前方部の西側が国道169号線に切り取られている。


登り着いたのは、広~い草地。ここは丸山古墳の前方部の上らしい。
見晴らしがよく、四方の山が見渡せた。
ブルーシートのかかった植山古墳も見えた。


麓には周濠の名残のようなところもあった。


法輪寺(軽寺跡)   大軽町
境内から飛鳥時代あるいは白鳳時代と思われる古瓦が発見されている。
ひっそりした所だが、天武天皇の頃にはかなりの規模のある寺で栄えていたよう。
平安時代に吉野詣をした関白藤原道真がこの寺を宿としたという話からも伺える。


すぐ近くにある春日神社「応神天皇 軽嶋豊明 宮跡」の石柱。
応神天皇はここで崩御されたという。
・・なのに、御陵が羽曳野市にあるのはなぜかな?


本命寺(石川精舎跡)
敏達天皇13年(584)百済から鹿深臣が持ち帰った「弥勒の石像」を蘇我馬子が石川の家に安置した。「馬子の宿禰、亦、石川の宅にして、仏殿をつくる。仏法の初、これより作(おこ)れり」 これが仏法の始まり・・
う~~ん。[仏教伝来最初の寺 向原寺]の話とこんがらがって・・??


剣池(現石川池)のそばに出た。
右に見えるのが「孝元天皇剣池嶋上陵」
応神天皇11年に池を造る。
皇極天皇3年(644)剣池の中に1茎に2個の花をつけたハスが咲き、豊浦大臣(蘇我蝦夷)が蘇我臣の吉兆と喜んだ(日本書記)
・・が、翌年、乙巳の変で蘇我氏は滅んでしまう。

池は後年拡張された農業用溜池で、池の中に杭があり、宮内庁と所有を分けていると聞いたことがある。

池の堤の歌碑「軽の池を泳ぎ回る鴨ですらも玉藻の上に独りで寝ることはないだろうに」との紀皇女の歌碑を見て、堤を降りる。


田んぼの向こうの木立のあたりは、舒明天皇が岡本宮が消失した後、百済宮へ移るまでの間、皇居とされた「厩坂宮・厩坂寺跡推定地」という。
栗畑になっている民有地。前に行ったことがある。 今日は遠見。

橿原神宮へ。
深田池のそばで弁当をたべる。


七五三祝いの衣装の子供、家族連れが目立つ。
橿原神宮のマスコットキャラクタ―「やたちゃん・かこちゃん」初めて見た。

ちょうど見ごろの菊花展を見つつ・・北神門を出る。

万葉集に歌われる「みつながしわ」は「カクレミノ」の説もあるが、磐姫皇后がわざわざ熊野まで行って採って帰ろうとしたとのことなので、私は「オオタニワタリ」の説に1票入れよう。

東大谷日女命神社に立ちより、若桜友苑へ。


イヌセンブリが植え広げられて満開だ。


大久保公民館あたりは、桜児(さくらこ)伝説の地 歌碑が建つ。
2人の男が桜児を巡って激しく争い、それを嘆いて自ら命を絶ったという桜児
2人の男が悲しんで歌を作ったという。
その1首「春さらば かざしにせむとわが思いし 桜の花は散り去にしかも」って、後で嘆いても・・。


国源寺(大窪寺跡)   大久保町
大窪寺のものと推定される塔の心礎があったらしいが見逃し。


ジュズサンゴを植えている家があった。


やさしい香りのヒイラギの花 あちこちで見た。

万葉集に歌われる植物として、うはぎ(ヨメナ)・かへるて(カエデ)・くくみら(ニラ)・さかき(サカキ)・つるばみ(クヌギ)・ひさぎ(アカメガシワ)・をばな(ススキ)などの説明があった。

空模様が怪しくなってきて、畝傍御陵前駅で解散

今日は丸山古墳の上に初めて登った。
軽寺跡・石川精舎跡・大窪寺跡も初めて行った。
そのあたりは歩いたことがなく、また歩いてみようと思った。

コメント (5)
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