柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

偏向

2007-06-24 09:29:22 | Weblog
大仁田厚がこの参院選出馬しないそうです。何やら講釈垂れているようですが、使い捨ての陣笠であることは一等初めからわかっていたことでしょうにね。所詮は乱闘要員、客寄せパンダです。で、その代わりに今度はヤンキー先生だそうです。自民党もまったく懲りない。これでは参院不要論に対抗できませんわ。参院の意味は有識者はじめ世の中一般から広く意見を集めるなんてことですよね、衆院がプロ集団であるという前提(あくまで前提です、何のプロかは別問題)への対置です。だから、こういう「普通でない奴ら」の意義があるというわけなんでしょう、古くは宮田輝、青島幸男、横山ノック、野坂昭如、野末陳平、参院議長の扇千景、猪木はじめとしたプロレスラー達・・。どんな有意義な意見を述べてきたのかは知りませんが、一芸に秀でたとか、普通でない生き方してきたとか、それを妙に有り難がっているわけです。大仁田にしてもヤンキー先生にしても、つまりは自分がアウトローであった分、そういう者の気持ちがわかる、どうやって立ち直ればいいのかが分かる、貴重な経験を持っているなんて。でも思うんです、奴らはきっと自分たちのやってきた無茶無体がどれほどに人に世間に迷惑を掛けてきたかが分かっていないだろうと。平凡に生きることとはどういうことかが分かっていないだろうと。連中は迷惑な一事例にすぎないのに、「更正」したことを妙にマスコミが褒めそやすもんだからその気になっちゃってる。違いますかね。参院不要論に与しますね、こんな人選を繰り返しているようでは。
 どの新聞も不思議に先の戦争について書きます。そして例によって社によって色が違います。毎日、朝日は教科書検定に引っかけてでしょう、それぞれの事象出来事を否定調で書きます。産経新聞は真ん中からやはり肯定調。私は(なんて今さらに言わずともみなさんおわかりのように)非否定派です、あの時代の、あの時代に生きていた人達の考え方や行動原理動機は、後世の我々には想像の域を出ないこと、後知恵で善悪正邪を判断するものではないという考えです。産経寄り、反朝日毎日です。でも所詮は私の知識とて限られたものです、当然知らないことだらけであるわけです。そこは正直にフラットに受け取ってちゃんと自分で判断しないといけないと心していますが、20日の毎日新聞の特集記事です。(おそらく知覧を立った)特攻機が墜落して民家を直撃して二人死んだ、その同じ日に戦地に赴いていた兄の戦死が伝えられた、兄はアメリカの飛行機に、姉は日本の飛行機にやられた、それでも大っぴらに悲しむことは許されなかった、お国に為に死ぬことが大義であり名誉とされていた時代であるから、という内容です。特攻については、その存在や人の命を軽々しく考えるこの思想について多く語られます、そして、死んでいった若い男達に対する追悼哀悼が表現されますが、思想や結果だけではなく、その実行段階に多くの不詳事があるのです。先に徳山大津島の回天訓練所の映画がありましたね、あそこで描かれていたように、そして石原慎太郎の映画にもあったように、目的を果たす以前に、訓練段階や機体の不備などで「無用に」命を落とす者がたくさんいたんでしょう、そして彼らは名誉の戦死扱いされてそれで終わり、誰がどういう責任を取る取らぬの問題にもならないこと、これは想像の届くことでした。特攻崩れと呼ばれる、機が飛びきらずに途中の島や海に不時着して帰還した者を、博多かどこかの特別の収容所に入れて隔離する、つまり恥だというわけです、戦意に関わる間違い事というわけです、そこで精神を病む者もいたなんて話。これを聞いた時もああありがちなことだと思いました。でもこの記事は結構知ってるつもりでいた私には新たなでき事でした。相手が特攻機であれば文句も言えないけれど、まさか落ちてくるなんて思わないこと、まさか味方の飛行機に殺されるなんて・・。しかし黙って肯いているしかない状況。この記事自体は対象婦人の「不幸」を強調しすぎる嫌いがあります、そこは差し引くにしても、こういう事例も多かったんだろうなと思えば、ああ、いくつの若い命が、戦闘要員であるか否かの区別なくこうやって無用に失われたのだろうかと、索漠たる思いが湧き上がります。事実を隠されて、日常生活のあれもこれも禁止されて、密告を基盤にした軍による暴力恫喝社会に生きていた人々の心情いかばかりやとは思うのですが、もちろん今の時代に生きていることの幸運には感謝するのですが、それでもやはり私はあの時代を否定することはできぬと思うし、軍が悪かった、軍が諸悪の根元だったと断罪してもいかがなものかと思うのです。やはり偏向していますか。主義主張を越えていますでしょうか。ううむ。
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