柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

慰撫

2022-02-11 10:16:30 | Weblog

表彰台独占は札幌五輪の日の丸飛行隊、ワンツーフィニッシュは陸上競技でよく見る光景です。が、234フィニッシュってのは珍しいんじゃないですか、男のフィギアです。きっと羽生宇野若い衆の順だったらこれをメディアは強調したんでしょうが、王者がこけて若い衆が上に行った日には新聞も見出しに困って、コマ割りにも困る。他の競技なら銅メダルで大騒ぎなんですから、前大会に続き表彰台に二人上がるなんては大快挙には違いないのですが、羽生のことも書かないわけにはいかない。さりとて片隅には置けないし。各紙苦心してる感じがわかります。負けた羽生については4回転半に挑んだことを褒め称えるしかないのですが、勝ったのは他の二人で。ここが日本のメディアのウエットで浪花節なところ、これを嫌う向きは多いのでしょうがこれもPCポリティカルコレクトネスです。よくやった、あなたは大功労者だと。その点彼は昨日の報道ステーションであの松岡修造のインタビューを受けて言い放ってましたよ、努力は報われないと。優等生な発言を繰り返してきた努力克己の優等生第一人者でしたから、あの逆説めいた本音はきっとあれを聴いていた多くの人の胸にザワザワを波風を立てたでしょう。そう言う?努力は報われない?もちろん彼には我々凡人には想像もできない葛藤があったに違いないとはそれこそ想像はできることですが、あそこで我々が期待するのは努力が足りなかったんでしょうという言葉でしたね。ショートプログラムで4回転飛べなかったことを氷に穴が開いてたと言い、スケートの神様に云々と話してました、それだけ完璧を期していた気持ちの裏返しとは理解しつつ、彼に人格者たることを要求し、傲り高ぶらない穏やかで謙遜な控えめな言葉を待つ視聴者には違和感強かったんじゃないかと思いました。私はそうでした。世にビッグマウス御仁は多くいますが、日本人は好みません。今次も羽生の3連覇を誰もが期待してたでしょう。フリーの演技をたまたまリアルタイムで観てましたが、二度こけて、あの時の実況は内村が落ちた時と同じ間でしたね。だから今朝の朝刊のコマ割りであり賞賛であります。本人が重しを外して偽悪に走らぬことを願うことですが、ま、そんなことはないでしょうけれど。高梨さんと逆方向ですが気に掛かることではあります、凡人にはわからぬ第一人者の心うちですが。

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