噂口

人の噂も７５日と言います。今時はもっと回転が速くなって７５日も持たないのでしょうが、日数の問題ではなくてやがて誰も興味をなくして忘れてしまうというヒトの共通の特性を現わしている謂いです今更解説など無用の。昔は情報伝達が遅かった（もちろん今と比べれば、です。その当時はそれしかないのですから遅いも早いもないです）ですから、歌の文句じゃないですが三日遅れの便りが届く、それがそこの集団に伝わるのに相当の時間がかかり、そこであれやこれや尾鰭がついて伝言ゲームの様相でメダカの話が鯨の話に変わって広まり、そしてやがて皆が興味をなくして終息する。７５日くらい。ま、これも都都逸の七七調の語呂合わせでしょうけれど。ヒトはこうやって忘れて行くから生きていけるんだという側面はあります。だから何かをやらかして非難されたり叱責されたり悪評が立った時にはひたすら頭を低くしてやり過ごせという処世術が生まれます。肉親や大事な人を亡くした時の悲しさもやがて薄れます、これも誰もが知っていること。時薬（ときぐすり）が一番の効果的だと知ってる、だから悲しい時は大声出して泣きなさい、と繋がります。アンガーマネージメントてのがありますね、ムカっと来て怒りが湧きあがった時６秒数えろ、すれば収まって来るというものです。高速道路での煽り事故以来、挑発されても怒るな乗るなと頻りに言われます。無闇に煽って来るバカはどうしようもないから、こっちが冷静になれということですが、これも一理あるわけです。ずっと怒りを維持できぬのです私たちの感情の造りとして。いや、怒りだけではありません、どんな感情でも何時間も維持することはできぬのです。そんなことはないだろう、恋の病は四六時中だろう？これもあれこれ理屈があるのですが是非別稿で。私たちの興味は、個人的なことはそれぞれ別箇ですが、新聞やＴＶで伝えられる話題に左右されます。それに気づくとどれだけ振り回されてるかと呆れるわけです。端的にはマスコミの煽るがまま、そしてマスコミが飽きるがまま。小池騒動然り、日馬富士事件然り。あっという間に紙面から画面から消える、私たちの頭からも消える。ま、自分の生活に関係のないことですから消えても何の不都合もないわけですが、だから余計にと知りつつ、ボーっと口あけて待ってるだけではダメですねぇ。