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柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

実情

2016-11-13 09:33:45 | Weblog
トランプ話題、承前。新聞記事ですが米国民の世論調査でトランプ受け入れるが84%だったそうです。日本でよくやる支持率ってやつなんでしょうが、つまり全国あちこちで起こっている反対デモや暴動を受けての調査なのでしょうけれどこの結果です。でもこれが例えば半々になるとかあるいは不支持が半数を越えるとかはまさかないでしょう。それこそ日本の内閣支持率なら平気で50%(ポイント)以下を示しますし、今をときめく韓国の女大統領のそれは5%だそうですが、選挙してすぐの時点でこの数字は真っ当ですよね。自分達の選挙を否定することになりますよ。仮に受容拒否の割合が反対であっても選挙のやり直しなんてないのですからね。これは英国のEU離脱国民投票の後のドタバタと同じ現象ですし、それだけ多くの国民にとって驚天動地の結果だったのですね。できれば時間を戻してくれ、俺は(私は)ヒラリーに入れ直すという人が多いのでしょう。まさかの坂を上がれネェ。落語のまんまです。TPPがどうなるんだとの議論も多いことです。今後周りからのこれでもかと懐柔を受けることになりましょうから、彼も尖がったままでいられるわけがないです。公約破棄とか変節といったレベルの変更が十分にあり得ることですが、石原大臣が間抜け顔で言ってますが、日本があれだけ国会通過を急いだのは交渉の主導権を握りたかったわけですね、そして大義がいる。トランプさんの放言の中の保護貿易指向を捉えて、自由貿易か保護貿易かという二項対立図柄を掲げてます。自由という響きに頼っているわけです、つまり誤魔化してる。今でも十分に自由貿易でしょうに。関税掛けぬことが自由貿易じゃないですね。こういう時にいつも思い出すのですが、関税取っ払っての究極の自由貿易だ、平成の開国だとイラ菅が突然に言い出した時に、まだ発言力のあった亀井静香が「関税自主権は主権国家としての当然の権利のうちの一つだ」と噛みつきました。関税自主権かぁ、と中学時代の社会の教科書をめくる思いがしましたが、そうですよね。明治日本は幕末に結んだ列強との不平等条約の改正に長い年月を要した、その為の富国強兵政策だったというのが習ってきた歴史ですね。日本の高度経済成長はまず繊維、次に自動車を安く売り家電を安く売り、農畜産物に高い関税掛けて日本の第一次産業を守ってきた、その結果ですよね。その良し悪しを今更言い立てても益はありません。各国なりに輸出入の均衡をとるための工夫、自国の産業を守るための工夫、それが関税でしょう。守るってのがいけない?それがグローバリズム信仰なのですね。多国籍企業(つまりはアメリカのネオコン、軍民複合体、ウオール街)の大儲けの中心理論、ドグマです。どうしてそんな連中の金儲けの理屈にこっちが合わせねばならぬのでしょうね。関税なくなれば輸出品がもっと安く売れる利、それはそのまま輸入品が安くなって自国製品が売れなくなる不利益です、そんなことは私にでもわかる、つまり子供でも分かる計算。そこを政治家は頻りに誤魔化すわけです、北米や豪州のあの大規模な農畜産業に日本が敵うわけがないのに、質で勝負しろとか、農協改革しろとか筋違いですり替える、小泉ジュニアが旗振ってますが。トランプはそんな理想空論を言わずに直に指摘したのです、日本が食品に38%の関税かけるのなら向こうの自動車にも同じだけかけろと。現実に何%の関税かかっているのか知りませんし、彼は知らぬことが多いとのことですから正確さには疑問符が付きますが、貿易とはこういうことですよね。各国の事情や工夫を無視してどこもかしこも関税ゼロにしろ、そういう均霑こそが公平だと、そういう同条件での勝負、ガチンコを強いるわけですが、それは喧嘩と同じこと、強い者の理屈でしょう?そして弱者救済のテイストも香るのです、だから正義の制度のように思い違える。例えば農産物しか輸出物がない貧しい国にとればとにかく安く多く売りたいわけですから、関税分が邪魔になります。二国間の取り決めであれば情状酌量もありましょうし、敢えて不公平な契約もあり得るわけでしょう、わざと輸入超過にして相手国を助けるとか。言うところの外交手段の一つとして。十数国の貿易を一律の条件下に置くなんては理想論ですね、公平至上の左翼的空論。もっと言えば社会主義的制度。文化も文明度も違う異民族の、しかも国力の全然違う複数国の集まりです、超大国アメリカの好きなままになることですが、そのアメリカが(トランプが)日本優位になることを怖れているのでしょう。何故か。一般の日本国民には分からぬアメリカの事情でしょうきっと。実は足元が本当にぐらついているとか。雇用がなくなるというんですからTPPで。商売も博打も金持ちが結局勝つでしょう?大資本の勝ちなんです普通は。アメリカが金持ちではなくなってる、というか利益の寡占が本当に進んでいて(あの1%対99%の比較ですね)、国民の分断はとても深刻なことなのだとか。だから日本の勝機なのだ。安倍さんがそこまで読んでいるのかどうか。トランプさんのおかげでアメリカの実情が露わになった。そういうことなんでしょうね。今後はきっと大豹変(彼が君子かどうか。革面の方かもしれませんが)するのでしょうけれど。
コメント
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