柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

出口

2010-08-15 07:53:35 | Weblog
終戦記念日です。敗戦、降伏を終戦と言い換えてごまかしている、9月2日のミズーリ号艦上での調印が(隻脚の外相重光葵がシルクハットの正装で式に臨んでいる写真は有名ですね)正式な敗戦(終戦)であって8月15日はポツダム宣言を受け入れたとの天皇陛下の詔勅が渙発された日、降伏したと知らされた日なのだ、武装解除した日なのだとか、あれこれの批判は当時の為政者の恣意、あるいは占領軍の方針を教えてくれます。当時から終戦記念日なんて呼んでいたわけじゃないですからねもちろん。倉本聰の「歸國」が話題になってます。昨夜TVドラマにもなってました。それより前にこの人の特集(NHK)を見ました、そこでこの劇のことに多くの時間を割いていました、ダイジェスト(もちろん)でしたが筋が十分にわかる、重たい雰囲気が十分に伝わる、ああ見たいなと思わせるものでした。昨夜のTVドラマは、TV用に原作をかなり曲げたもののように思いました。好みの問題ですが、たけし、長渕剛、石坂浩二、あのキャスティングですっかり色づけられてましたね。八千草薫と小栗旬の場面はよかったです、死者は齢をとらないという事実を映像で示します、ああいう場面が本当にあるならおそらくああいう会話になるんだろうなと皆聞き入ったのではないでしょうか。終戦したのではないのです、降伏したのです。アメリカに日本本土上の制空権も制海権も牛耳られた挙げ句、原爆を二発も落されて息の根を止められたのです。世界平和という抽象を追うのではなく、そういう事実から始めなければならないのです。日本人がなくしたもの。評論家の数だけ挙がるものなのですが、やはりこういう情報操作、世論操作によって事実を隠され事実から遠ざけられ続けたことにより、その見返りとして確かに日本は豊かになりました、花より団子なのです、精神(気持ち)よりも今日の暮らしです、そこを誰にも否定はできません、貧困からの脱却です、あの時代(昭和30年代)に社会を担っていた方々には日に日に生活が豊かになる実感があったのではないのでしょうか、そんな時に今更敗戦か終戦かなんてこと考えません。でもそこに大きな力が働いていたという考え方もできるわけです。その結果が、戦争のことを教えない教育です。戦争で、国のために死んでいった人たちを記憶しないどころか知ろうとしない現況です。そこに一石を投じた作品なのでしたが、戦争はいけないことですとか、戦争するなんて馬鹿野郎だとか、そういう出口の話ばかりで終始するのではなくて、死んだ人(殺された人)に心を致せということですね。安物の政治家たちが盛んに言うガバナンス、相撲協会にまでこの横文字を冠した委員会がありますよ、本来の意味の統治、戦争に向かう国の国民統治の方法を咎める論議も後を絶ちませんが(すぐに皇国化軍国化となじる、あの時代に戻らないように・・・なんて点々付きの嘆息呟き調)、あの時代は日本は戦争していたんです。そこを否定してどうするんですか。あの戦争で死んでいった人達、兵士であれ空襲で亡くなった一般人であれ、あの時代の日本に暮らし死んでいった人達を心から慰霊する、今の日本をもたらしてくれたことに感謝する、そういう気持ちをどうして否定しますかね。靖国を参拝しない為政者達の心根を卑しく思います。
 TBSの関口の番組に河野洋平が出てました。びっくりしました。もう議員じゃないですからねいいんでしょうが。日韓併合の話題でコメントしてました。何を言うやらと興味ありましたが(村山談話の前に慰安婦やらで謝罪した、宮沢さんと並んで保守論壇からは叩かれ続けている人です)、こっちが謝ってもすぐに身内から反対論が出て(韓国にはいいこともしたとか戦争補償はとうの昔に決着のついていることだとか)それが向こうに伝わってせっかくの謝罪の意が通じないのだ、これには困ったことだったと言ってました。それだけでした。なんだか気負って身を乗り出した分、肩透かしで下。TV局も気を遣ったのかとも思いました。日航墜落事件のこともやってました、ここで何度も報道過熱を言ってますが、TVの解説では、日航再建がうまくいかないこと、今までのこの会社のドンブリ体質、親方日の丸体質への非難が強いこと、そして原因解明が甘いこと、それぞれがリンクされてあの事故は人災じゃないのかというニュアンスになっています。今の日航なら洗いざらい出すかもしれぬという、そういう押しなのでしょうね。名だたる左翼、佐高信がいつもの口調でシニカルに呟いてます、安倍晋三は総理時代には村山談話を踏襲すると言ってたの、今は反対論者の急先鋒である、政治家の言葉として軽すぎるとか、平和を祈る「長崎の鐘」を作詞した古関裕司(字が間違っていたらすみません)は勝ってくるぞと勇ましく、といった軍歌の作詞も多く手掛けた人なのだ、この辺りいかがなものかと言いがかりつけてました。らしいこと。もっともこの番組自体、TBS自体がこの系列でありますからこういうものなんですが。河野さんがTVに出て行くんですね。田原の番組が残っていれば、という思いが湧きます。この人にも色々言い分がありましょうからね。聞いてみたいものです。
コメント
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