ボルドーのネゴシアンTWINSが7月に都内で開催した試飲会に参加したのですが、その時に、これは!と思ったワインがありましたので、遅ればせながら紹介します。
Château Les Carmes Haut Brion 2020
(France, Bordeaux, Pessac Leognan)
名だたるワインがずらりと並び、順に試飲していく中で、これすごくおいしい!と思ってラベルを二度見したワインがこちらの「シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン 2020」でした。
ボルドー、ペサック・レオニャンの赤ワインで、ブドウ品種はカベルネ・フラン40%、カベルネ・ソーヴィニヨン34%、メルロ26%(年により比率は多少変わるようです)。
熟成は24カ月で、80%はフレンチオークの新樽で、11%はフードル(大樽)で、9%はアンフォラでの熟成。
飲んでみると、果実味はしっかり凝縮されていますが、やりすぎ感はまったくなく、ううん~いい感じ~!と声が出てしまう、本当にちょうどいい凝縮感でした。
樽の感じも強くなく、酸、タンニンも洗練され、完璧なバランス。
果実の丸みがあり、なめらかで、2020年ですが、すでに今から楽しめる状態。
カベルネ・フラン多め、というのもいいですね。
これが、5年、10年…と、どう変化していくか、期待大
この2020年は、デカンター誌で100点を獲得していますが、ほかでも高得点を獲得しているようです。
私は、ポイントは目安にすぎないと思っていますが、錚々たる銘醸シャトーのワインが並ぶ試飲会の中で、「これおいしい!」と思った自分の舌は間違ってはいなかった?(笑)
バックラベルはこんなに華やかで楽しい~
アルコール度数は13.5%
「シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン」は、ボルドーではブドウ畑が唯一ボルドー市内にある生産者です。
塀に囲まれた都市型ブドウ畑、というのは興味深いですね。
1584年から1789年までは、カルメル会修道院の所有だったそうですが、フランス革命後にボルドーのネゴシアンが買い取りました。
その後、2010年にフランスの不動産開発大手のPichet(ピシェ)グループが買い取り、現オーナーは、ディアヌ&パトリス・ピシェとなります。
ピシェグループの傘下に入ったことで大量の資本が投入され、ブドウ畑の再構築、醸造施設や醸造庫の一新が行なわれ、生産責任者にGuillaume Pouthier(ギヨーム・プティエ)を起用。
ギヨームは、ペサック・レオニャンのシャトー・ラガルド、ローヌのシャプティエを経て、パトリス・ピシェに乞われ2012年にシャトー・レ・カルム・オー・ブリオンに参画しました。
ピシェの資本投入とギヨームの経験と実力が両輪となって、Château Les Carmes Haut Brionのクオリティが向上した、ということですね。
過去ヴィンテージの評価を調べてみると、2015年ヴィンテージのあたりから95点以上の評価を獲得するようになったのが見てとれました。
日本の消費者は、ボルドーワインはメドックの格付けシャトー、特に格付けの高いものに興味が行きがちですが、実力重視で選ぶ時代がやってきた、ということでしょう。
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