【前編】より続きます
ヴェネト州の白ワイン ソアーヴェに関する興味深い情報をお知らせします。
イタリアはヨーロッパで最も火山(vulcano)が多い国であるため、火山性(vulcanico、ヴルカニコ)土壌が随所で見られます。
そこで、ヴルカニコ土壌でつくられる白ワインの特性にフィーチャーした
VULCANIA (ヴルカニア)というフォーラムが数年前に結成され、ソアーヴェはこれに参加しています。
ヴルカニアに参加している産地は以下の4つ
■ SOAVE (ソアーヴェ、ヴェネト州)
■ CAMPI FLEGREI (カンピ・フレグレイ、カンパーニャ州)
■ ISCHIA (イスキア、カンパーニャ州)
■ ETNA (エトナ、シチリア州)
カンパーニャ州のヴェスヴィオ火山、シチリア州のエトナ火山は有名ですが、ソアーヴェにも古い火山があり(死火山)、ソアーヴェ・クラッシコエリアの東側に火山性土壌が見られます。
SOAVE
ソアーヴェでは玄武岩土壌が多く、玄武岩に石灰岩が混ざった土壌が多く見られ、土の色は黒、もしくは赤っぽい色になり、白い土は見られません。
ブドウ品種は、ガルガーネガとトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ。
CAMPI FLEGREI DOC
カンピ・フレグレイはベスビオ火山とつながっている土地で、火山活動による隆起などにより、地層がうねっており、上下反転している箇所もあります。火山からの噴出物による黒っぽい土壌になります。ブドウ品種は、ファランギーナが多くなります。
ISCHIA DOC
イスキアはナポリの北西にある島で、カンピ・フレグレイの向かい側に位置しています。
カプリ島と並ぶ観光地ですが、古くからワイン造りが行われています。
土壌は、溶岩が水に接した時に変色して緑がかったスレートが多く見られます。
畑は傾斜がキツく、イタリアでは珍しい段々畑が作られています。
ブドウ品種は、ビアンコレッラ、フォラステッラ。
ETNA DOC
エトナは今も20~30年ごとに噴火している活火山です。
古い時代には地殻変動が大きかったようですが、今はきれいな畑が造られています。
ブドウ品種は、カリカンテとカタラット。カタラットはシチリア全域で栽培されていますが、カリカンテはエトナが起源の地場品種です。
イタリアでは、
「黒い土からいい白ワインが生まれ、白い土からいい赤ワインが生まれる」と言われます。
よって、上記4つの白ワイン産地の土壌は黒っぽくなっています。
では、ヴルカニコ土壌の白ワインはどういう特性を持つのでしょうか?
ソアーヴェ生産者協会のアルトゥーロ・ストッケッティ会長(前編に登場)に尋ねてみたところ、
「どの地域にも共通して “ミネラル感” がある。ミネラル感があると料理にも合わせやすくなる。和食にもオススメ」とのこと。
今回、これら4地域の白ワインを比較試飲してみましたが、ブドウ品種の違いや土壌の違いによる味わいの違いはありましたが、透明なミネラル感を感じるワインが多いと思いました。
個人的に興味を惹かれたのは「イスキア」。ピュアでやさしいタッチで、穏やかなミネラル感が、素材を生かしたシンプルな塩味の料理(魚介のフリットミスト)とよくマッチしました。
魚介のフリットミスト ヴェネツィア風(イタリア版天ぷら)
ヴルカニア は 巡回フォーラムとなっており、2011年はソアーヴェで開催されました(6/16)。
また、ヴルカニアでは、長熟タイプの白ワインをPRするプロジェクトも実施されています。
火山性土壌というテーマを通じて各地域の独自性をアピールしたこと、しかも、それが白ワインにフォーカスしたものであることは、非常にユニークですし、大きく評価したいですよね。
ソアーヴェでは、赤ワイン人気に押され、40~50年くらい前からスランプに陥っていたそうです。
しかし、「この10年で上方に向かってきている」と、ストッケッティ会長は言います。
特に、国内外で修業した高学歴の若い醸造家たちの活躍(ビオや有機栽培の浸透、収量制限、最新醸造設備導入など)が大きく、古い世代も認めざるを得なくなってきました。
「この10年をソアーヴェでは“ルネッサンス”と捉えている」、と会長は言います。
2008年のクリュ制定(前編を参照のこと)も、ヴルカニア創設(2009年頃?)も、ルネッサンスの流れの中のひとつ、ということになるでしょうか。
かつて、ライトでカジュアルに飲める白ワイン、と認識されていたソアーヴェは、クオリティとオリジナリティを追求するようになりました。
この先も、またさらに何かやってくれるかもしれませんね
ソアーヴェは今後も引き続き要注目です
ヴェネト州の白ワイン ソアーヴェに関する興味深い情報をお知らせします。
イタリアはヨーロッパで最も火山(vulcano)が多い国であるため、火山性(vulcanico、ヴルカニコ)土壌が随所で見られます。
そこで、ヴルカニコ土壌でつくられる白ワインの特性にフィーチャーした
VULCANIA (ヴルカニア)というフォーラムが数年前に結成され、ソアーヴェはこれに参加しています。
ヴルカニアに参加している産地は以下の4つ
■ SOAVE (ソアーヴェ、ヴェネト州)
■ CAMPI FLEGREI (カンピ・フレグレイ、カンパーニャ州)
■ ISCHIA (イスキア、カンパーニャ州)
■ ETNA (エトナ、シチリア州)
カンパーニャ州のヴェスヴィオ火山、シチリア州のエトナ火山は有名ですが、ソアーヴェにも古い火山があり(死火山)、ソアーヴェ・クラッシコエリアの東側に火山性土壌が見られます。
SOAVE
ソアーヴェでは玄武岩土壌が多く、玄武岩に石灰岩が混ざった土壌が多く見られ、土の色は黒、もしくは赤っぽい色になり、白い土は見られません。
ブドウ品種は、ガルガーネガとトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ。
CAMPI FLEGREI DOC
カンピ・フレグレイはベスビオ火山とつながっている土地で、火山活動による隆起などにより、地層がうねっており、上下反転している箇所もあります。火山からの噴出物による黒っぽい土壌になります。ブドウ品種は、ファランギーナが多くなります。
ISCHIA DOC
イスキアはナポリの北西にある島で、カンピ・フレグレイの向かい側に位置しています。
カプリ島と並ぶ観光地ですが、古くからワイン造りが行われています。
土壌は、溶岩が水に接した時に変色して緑がかったスレートが多く見られます。
畑は傾斜がキツく、イタリアでは珍しい段々畑が作られています。
ブドウ品種は、ビアンコレッラ、フォラステッラ。
ETNA DOC
エトナは今も20~30年ごとに噴火している活火山です。
古い時代には地殻変動が大きかったようですが、今はきれいな畑が造られています。
ブドウ品種は、カリカンテとカタラット。カタラットはシチリア全域で栽培されていますが、カリカンテはエトナが起源の地場品種です。
イタリアでは、
「黒い土からいい白ワインが生まれ、白い土からいい赤ワインが生まれる」と言われます。
よって、上記4つの白ワイン産地の土壌は黒っぽくなっています。
では、ヴルカニコ土壌の白ワインはどういう特性を持つのでしょうか?
ソアーヴェ生産者協会のアルトゥーロ・ストッケッティ会長(前編に登場)に尋ねてみたところ、
「どの地域にも共通して “ミネラル感” がある。ミネラル感があると料理にも合わせやすくなる。和食にもオススメ」とのこと。
今回、これら4地域の白ワインを比較試飲してみましたが、ブドウ品種の違いや土壌の違いによる味わいの違いはありましたが、透明なミネラル感を感じるワインが多いと思いました。
個人的に興味を惹かれたのは「イスキア」。ピュアでやさしいタッチで、穏やかなミネラル感が、素材を生かしたシンプルな塩味の料理(魚介のフリットミスト)とよくマッチしました。
魚介のフリットミスト ヴェネツィア風(イタリア版天ぷら)
ヴルカニア は 巡回フォーラムとなっており、2011年はソアーヴェで開催されました(6/16)。
また、ヴルカニアでは、長熟タイプの白ワインをPRするプロジェクトも実施されています。
火山性土壌というテーマを通じて各地域の独自性をアピールしたこと、しかも、それが白ワインにフォーカスしたものであることは、非常にユニークですし、大きく評価したいですよね。
ソアーヴェでは、赤ワイン人気に押され、40~50年くらい前からスランプに陥っていたそうです。
しかし、「この10年で上方に向かってきている」と、ストッケッティ会長は言います。
特に、国内外で修業した高学歴の若い醸造家たちの活躍(ビオや有機栽培の浸透、収量制限、最新醸造設備導入など)が大きく、古い世代も認めざるを得なくなってきました。
「この10年をソアーヴェでは“ルネッサンス”と捉えている」、と会長は言います。
2008年のクリュ制定(前編を参照のこと)も、ヴルカニア創設(2009年頃?)も、ルネッサンスの流れの中のひとつ、ということになるでしょうか。
かつて、ライトでカジュアルに飲める白ワイン、と認識されていたソアーヴェは、クオリティとオリジナリティを追求するようになりました。
この先も、またさらに何かやってくれるかもしれませんね
ソアーヴェは今後も引き続き要注目です
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