ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

カリフォルニアワインの新AVAウエスト・ソノマ・コースト【後編】

2023-04-12 23:48:36 | ワイン&酒

カリフォルニアワインの新AVAウエスト・ソノマ・コースト【前編】 より続きます

 

【前編】では、カリフォルニア州の新AVAウエスト・ソノマ・コーストについて、セミナーの内容をレビューする形で紹介しましたが、【後編】では、実際に飲んだ印象などをリポートします。

 

今回はウエスト・ソノマ・コーストから9ワイナリーが来日

 

東京のセミナーでは、6ワイナリーのワインが試飲で提供されました。

各生産者がワイナリー情報やワインの説明をしてくれました。

個々のワインの細かい内容は割愛し、簡単に。

 

 

<セミナーで登場したワイン>

Ernest Vineyards Joyce Vineyard Chardonnay 2020

Senses Wines B.A. Thieriot Chardonnay 2021

 

Alma Fria Holtermann Vineyard Pinot Noir 2021

Littorai The Pivot Vineyard Pinot Noir 2019

Hirsch Vineyards ‘Raschen Ridge’ Estate Pinot Noir 2019

Wayfarer The Estate Pinot Noir 2019

 

シャルドネは2つ

アーネスト・ヴィンヤーズのシャルドネは、酸がほどよく残り、白桃のニュアンスがあってなめらかで上品、繊細な印象。

センシーズのシャルドネは、酸のキレがあり、ミネラリーで骨格カッチリ、引き締まってややストイックなスタイルだと感じました。

 

ピノ・ノワールは4つ

アルマ・フリアのピノ・ノワールは、にごりのある外見。香りに動物の毛皮的なニュアンスが感じられ、野性的な風味、タンニンの収れん味がしっかりと感じられ、ナチュラルな味わい。無清澄、無濾過でした。

リトライのピノ・ノワールは、色は薄めですが、黒いベリー系のニュアンスのある集中したアタックで、輪郭くっきり。酸も豊富で、うま味の乗った塩味も感じ、唾液が出てくるような味わいでした。

ハーシュ・ヴィンヤーズのピノ・ノワールは色濃く、果実のボリューム豊かな味わいで、塩味、うまみを感じさせ、骨格もしっかり。フルーツ感あり、のびやかで、まろやか。

ウェイファーラーのピノ・ノワールも色濃く、アロマも濃厚。エキス分が濃厚な、フォーカスした味わいで、うまみたっぷり。甘みも感じました。

 

それぞれの生産者はそれぞれの場所に畑を持ち、それぞれの考え、手法でワインづくりを行なっています。

テイスティングしたワインは特徴の違いがはっきりしたものが用意されたようですが、消費者にとっては選択肢が広がるので、ありがたいことです。

 

太平洋から流れ込む濃い霧!

 

冷涼な海洋性気候、というベースがあるので、濃厚なワインであっても重たさは感じません。

また、冷涼気候といっても、果実味はしっかり熟し、未熟な印象はまったくありません。

歴史あるブドウ畑が多いので、ブドウ自身のもつ力も大きいと思います。

海に近く収量が自然と少なくなる土地で、霧の湿気に対応できる斜面を選び、向きを考え、仕立て方の工夫をするなど、情熱をもって取り組んできた人々がいたからこそ、もあるでしょう。

 

 

 

セミナー後は、試飲会場の特設ブースでウエスト・ソノマ・コーストのワインを色々とテイスティングしました。

 

Alma Fria

2012年設立、オーガニック/ビオディナミ農法のワイナリー

 

Freeman

ワインメーカーは日本人のアキコさん

 

[参考] 

日本人の繊細な感覚が生むワイン「フリーマン」@USA - ワインな ささやき (goo.ne.jp)

 

 

Littorai

フランスのディジョン大学で醸造学の学位を取得し、ブルゴーニュのコート・ドールのワイナリーで醸造長も務めたテッド・レモンさんが1993年に設立。

 

Littoraiのテッド・レモンさん

 

Ernest Vineyards

2012年設立。祖父の名前Ernestをワイナリー名に、アーティストだった祖母が描いた祖父の肖像画をラベルにしています。

 

Hirsch Vineyards

1980年設立。フォート・ロス-シーヴューAVA内にあり、このAVAはウエスト・ソノマ・コーストAVAに完全に包括されています。

 

Senses Wines

3人の幼馴染が始めたワイナリーで、家族所有の畑のブドウを使用しています。

 

セミナーにも登壇したSensesのクリストファー・L・ストリーターさん

 

Wayfarer

1991年から畑を探し始め、1998年に植樹、2012年からワインづくりを始め、2013年にワイナリー設立。

 

PEAY

アンディ・ペイとニック・ペイの兄弟が1996年に畑を購入してスタート

 

現在West Sonoma Coast Vintnersの代表を務めるPEAYのアンディ・ペイさん

 

COBB Wines

William Selyemで修業後、Floersや Hirschのワインメーカーを務めたロス・コブさんが、自身のブランドをスタート。

 

COBBのオーナー・ワインメーカー ロス・コブさん

 

 

来日したウエスト・ソノマ・コーストの9ワイナリーのワインをすべて試飲しましたが、どれも完成度が高い!

お値段を見ると、やはりそれなりのお値段ですね~

 

実際には、何本も並べて飲む、という飲み方はできないかと思いますが、まずは気になったところから飲み始め、自分のお気に入りを見つけるのがいいでしょうか。

 

ウエスト・ソノマ・コーストAVAはカリフォルニアワイン協会の今年のテーマ産地になっていて、4月1日から5月31日の2か月間にわたって全国で開催するプロモーション「カリフォルニアワイン・スプリングプロモーション2023」でもフィーチャーされています。

これまでのプロモーションは飲食店が対象でしたが、今年は小売店やオンラインショップも加わり、より一層魅力的な内容になっています。

詳細は下記の公式ホームページをご覧ください。

 

カリフォルニアワイン・スプリングプロモーション2023

https://calwines.jp/sp23/

2023年4月1日から5月31日まで開催

 


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