ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

Le Volte+ブリの刺身@オンライン飲み会

2020-05-07 17:53:00 | ワイン&酒

初めてオンライン飲み会をした話を書きましたが、その時に飲んだワインが、予告していた「レ・ヴォルテ・デル・オルネッライア」です。

 

「レ・ヴォルテ・デル・オルネッライア」は、スーパータスカンとして知られる「オルネッライア」のサードワインで、メルロ、サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドした赤ワインです。

これに合わせる料理の定番は、もちろん「肉」です。

ワイナリーのサイトでも、さまざまな肉に加え、生ハムやサラミ類などとのペアリングが紹介されていました。

 

私も、手作りハンバーグに合わせるつもりでしたが、スーパーに買い物に行くと、

ブリが安い!

 

LE VOLTE  × ブリの刺身

これを試してみない手はありませんよね?

 

LE VOLTE DELL' ORNELLAIA  2017 (Italy, IGT Toscana)

 

オルネッライアはトスカーナ州ボルゲリにあり、海に非常に近い場所です。

代表ワインの「オルネッライア」(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドのブレンド)と、セカンドワインの「セッレ・ヌオーヴェ」(メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランのブレンド)の原産地呼称はDOCボルゲリですが、サードワインの「レ・ヴォルテ」(メルロ、サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンド)はIGTトスカーナです。

レ・ヴォルテはメルロが主体なので、早くから楽しめるスタイルになっていますが、そこにサンジョヴェーゼのイキイキとした酸が加わることで、なめらかでジューシー感のあるワインに仕上がっていました。

 

 

開けたてのレ・ヴォルテに、「ブリの刺身」(しょうゆ、わさび)を合わせてみると、悪くありません。

しょうゆとわさびを付けたブリにオリーブオイルをたらしてみると、この方が断然合う!

ブリにはもともと脂がありますが、オリーブオイルがしょうゆとわさびのつなぎとなり、よりスムーズにワインと溶け合います。

このワインのタンニンはアグレッシブではなく、まるみがあるので、ブリの脂と反発しなかったのも良かったと思います。

なによりも、サンジョヴェーゼのイキイキとした酸が、ブリの脂と軽快なバランスを取っていました。

 

ブリとのペアリングが良かったこともあり、オンライン飲み会をしながら、ついつい飲みすぎそうになりましたが、次の日もまた楽しみたいので、なんとか自制(笑)

 

 

開けて2日めは、当初の予定通り、「ハンバーグ」と合わせました。

肉詰めピーマンを作った時、中身が残ったのを小判型にして冷凍しておいたもので、豚の挽肉と、やや大きめのみじん切りにした玉ねぎが入っています。

このハンバーグがとてもソフトでジューシーで、2日めになってさらに開いてやわらかみを増したル・ヴォルテと実によく合いました。

ジューシーに焼き上げたハンバーグは、間違いないペアリングです。

 

これはどうかしら?と、冷蔵庫にあったブルーチーズ入りの6Pチーズとも合わせてみたところ、このチーズもレ・ヴォルテに合う、合う~♪

少しクセのあるブルーチーズの風味とマイルドな塩気がいいみたいですね。

ガツンとした本物のブルーチーズだと、おそらく反発しそうな気がします。

6Pチーズ、いい仕事しました(笑)

 

まだまだ試したいペアリングのために、ボトルの1/3を死守し、3日めは「すき焼き」と合わせます。

甘辛いタレがからんだすきやきは、肉がブランド牛ではなく、特売肉でも、レ・ヴォルテに文句なく合いました。

抜栓3日めでも、ワインはまだ元気。

初日とくらべると、こなれてしなやかになりました。

しかし、やや雑味が出始めたかもしれません。

とはいえ、レ・ヴォルテを3日めまで残すことは、普通ではほぼありえないでしょうけれど(初日で飲み干してしまう人が大多数?)

 

2017年ヴィンテージは暑くて乾燥した年でした。

レ・ヴォルテの2017年は、まろやかながら果実味が濃く、力があります。

私がもっともおいしく感じたのは、2日めの状態でした。

抜栓した初日にその状態を求めるなら、よく空気になじませることをオススメします。

 

アルコール度数13.5%は、ちょうどいいバランスですね

 

 

今回、抜栓した初日に、2種類のグラスでの飲み比べ実験もしました。

大ぶりのボルドーグラスと、口がやや狭めのチューリップ型のブルゴーニュグラスです。

メルロにカベルネ・ソーヴィニヨンですから、ボルドー型がよさそうですが、ブルゴーニュ型の方が断然おいしく感じました。

ブルゴーニュ型は液面の面積が大きく、口が狭いので、この形状が奏功したようです。

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言のせいで、シェアできず、ひとりで飲むことになったのは残念でしたが、3日にわたって、さまざまなペアリングやグラスの比較飲みもできたので、よしとしましょうか

 

(輸入元:日本リカー)

 

コメント (2)
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