お気楽ボランティア日記

楽しみながら、ボランティア   広がる、人の輪

「わたしは、ダニエル・ブレイク」を見る

2017年05月02日 | 映画・演劇・本

 ほとんど前知識なく見てきた。ただ、カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作という理由で・・・川崎アートセンターはほぼ満員だった。

 舞台はイギリス。貧困の様子が似通っていて、はじめはアメリカだと思ってしまった。どこの国でも貧困にあえぐ人たちの姿は同じだ。

 主人公「ダニエル・ブレイク」は大工だったが心臓病で医者から労働を禁止される。妻に先立たれ、一人暮らしの中高年のダニエルは、たちまち経済的に行き詰まる。なんとか公的な救済を受けようと奮闘するがそのためには働けと、訳の分からないことを言われる。どうなってるんだろう?・・・とにかく、イギリスがここまで高齢者に冷たいとは思わなかった。職員の対応がひどい。規則と罰則をちらつかせ、ダニエルも観客もなんどため息をついたことか!しかも、なかなか電話がつがらないことや、パソコンで書類を作成させられる理不尽さは、私も思い当たり、誇り高いブレイクに同情した。国の方針で、なんとか支給を免れようとしているのか・・・ドコも同じだなあ!

 これが現実をそのまま描いているとしたら、映画にした甲斐あったというものだ。

 主人公の他に一組の母子が登場する。こちらはもっと悲惨で、母親の苦悩は深い。

 ダニエルは母子にできる限りの援助をする。両者のつながりがあたたかく、少しだけほっこりする。しかし、どちらも貧しいのだから、見ていてやるせない。

 フードバンクに長い列を作る貧しい人たち。そこの職員はとてもやさしく親切で、ちょっとほっとする。しかし母親はおなかが空きすぎて思わずその場で口にしてしまい、みじめさにうちひしがれる。人間の尊厳が傷つけられる場面だ。

 私はカワサキキッズ麻生で昨年度、フードバンクかわさきの方を講師によんでお話を聞いたのでその存在は知っていた。WEショップにも店内に箱が置かれ、フードバンクへの寄付を常時募っている。どこの国でも、こういう民間の支援組織に頼っている人が多いのだと知らされた。しかし、これだけでは到底生活していけるはずもない。どうなっていくのか・・・

 この後のことを書くとネタバレになってしまうが、ダニエルや母親がこの後取った行動は私の想像の範囲だった。だって、他に方法なんてないのだから・・・そう、貧困の人たちがその状況から抜け出すのはとても難しい。周りからの支援がない限り・・・

 一つ良かったのは、映画のチケット一枚につき、50円が貧困に苦しむ人びとを援助する団体に寄付されるとのこと。たくさんの観客を集めれば、それだけ支援金が増えるということだから、皆さんぜひ見に行ってください!アートセンターでは12日まで上映中!!(月曜休)

 また、映画の収益金の一部も30年間にわたり、「ダニエルブレイク基金」として援助団体に助成されるそうです。

 しかし、貧困問題はどの国でもあること。どうしたらいいのだろう?(僅か二泊三日で百万円もする列車の切符があっという間に売りきれる日本で

 

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