拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

スリーピング・ビューティ(マレフィセント)

2015-08-15 18:43:50 | 音楽
アンジェリーナ・ジョリー主演の「マレフィセント」を観る(WOWOW)。「眠りの森の美女」を「悪い魔女」(ジョリー)の視点から作り直したもの。イケメン(嫌い)の王子が「真の愛のキス」(呪いを解く)をもたらすものではなかった点は「アナと雪の女王」と同じ。それをもたらすのは誰かって途中から分かったもんね。見終わってとても爽やかな気分。なにより、エンドロールの歌がいい。チャイコフスキーの「眠りの森の美女」のワルツをゆっくりにして詩をつけて歌にしたもの。ちなみに、「オーロラ姫」って「アウローラ」って発音するんだね。

エサイの根

2015-08-15 11:50:33 | 言葉
(承前)「エサイの根」の1行目、”Es ist ein Ros entsprungen”からは「エサイの根」は出てこない。この二つを無理にくっつけて理解しようとすると、え~?バラってエサイなの?と思っちゃう。少し先に”von Jesse kam die Art”(それはエサイから来た)という句が出てきて、この”Jesse”がエサイなんですね。つまり、エサイという人がいて、その人が根となって枝が生え(子孫が残り)、そこから花(聖母マリア、イエス)が萌え出でた、ということだ。「エサイの根」の「の」の捉え方が難しい。因みに、”Jesse”の発音は「イェッセ」(エサイからは遠いなあ)。英語ではジェシーになるそうだ。

グラーネ、おらのベコ!

2015-08-15 11:06:01 | 音楽
”Es ist ein Ros entsprungen”は、キリスト者にとっては当然「エサイの根」。それに対してお馬鹿な私、ぱっと見て連想したのは馬が飛び跳ねてる様子。これはヴァーグナーを聴きすぎたせいだ。つまり、”Ros”は”ここでは”Rose”(バラ)の短縮形なのだが(と書いたが、すると冠詞がeineになるはず。疑問)、私は”Ross”(馬)だと思ったのだ。「馬」は、標準ドイツ語では”Pferd”だが、南部の方言では”Ross”で、ヴァーグナーのテキストにはこっちが頻繁に登場する。例えば、「神々の黄昏」で、ブリュンヒルデが大詰め、火の中に飛び込むとき”Grane,mein Ross”(グラーネ!私の馬)と高らかに歌う。ちょっと待て、方言なんだから、ここは「おらのベコ」と訳すのがいいだろう。それにしてもグラーネはブリュンヒルデと心中させられていい迷惑だ。