拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ジュンゼ・アルフィン・イル・モメント

2015-08-06 10:25:39 | 音楽
学生んときの合唱団のコンパにも「ソロ・コーナー」があって、銘々が出し物を披露。私は毎回某さんと組んで、某さんが歌を歌って私はピアノで伴奏してた。で、いつものように次回の選曲の相談。某さん「ケルビーノ(フィガロの結婚)の第1幕のアリア(速いほう)をやりたい」。私「速くて弾けない。第4幕のスザンナのアリア」をやろう……で、某さんもしぶしぶスザンナを承諾。結果は失敗。某さんは大層ご立腹「ケルビーノだったら上手く歌えた。あんたのせいだ」。年月が経ち、二人ともスザンナのアリアが大好きになった頃、私が「某さんご立腹事件」を蒸し返すと、痛い反撃「あんただって、当時、この曲の良さ分かってなかったじゃない」。痛いところをつかれた。それは確かだ。私がこのアリアを選んだのは(譜面づらが)簡単だから。歌は「ド、ドーファ、ラード……」って具合。伴奏もゆっくりで音も少なく私でも弾けた。この曲の真の素晴らしさなど分かっちゃいなかった。それが分かったのはルチア・ポップで聴いてから。単純そうな一つ一つの音にあふれんばかりのニュアンスがつまってた(私にとって、ルチア・ポップのスザンナはグルベローヴァのツェルビネッタと同じ)。やっぱりオペラはいい演奏で聴くに限る。私が中学1年でオペラファンになったきっかけとなったリゴレットでマントヴァ公爵を歌ったのは、当時無名だったパヴァロッティだった。ところで、今日のブログのタイトルは、このアリアにくっついてるレチタティーヴォの冒頭。このレチタティーヴォが素晴らしい。本編より好きかも。