拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ポリーニ様ご乱心!?(のワケはない)

2015-03-20 09:52:30 | 音楽
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第25番、表題はソナチネ。この曲をポリーニが猛スピードで、親の仇を討たんばかりの勢いで弾いてる。出だしは面食らうが、なめらかな経過句などはさすがにきれい。と、ところが、第1楽章の終わり近く、不協和音が轟いた。へたくそ(私のような)が弾き損ねて白鍵と黒鍵を同時に叩いたような音。これがしばらく続く。え?なに?ポリーニ様ご乱心?そんなわけはない。楽譜を見たら前打音(半音下)だった。これをポリーニがあまりに早く弾くもんだから、二つの音が重なって聞こえたんだ。「黒い秘密兵器」を思い出した。その昔、「巨人の星」の前にあった野球漫画。投げた球が黒くなるっていう魔球が登場する。その理屈は、あまりに球が速いので、その影が後ろの残像の上にかかって黒くなる、というもの(そんなのあるわけないっ、て私に言われても)。