暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京の月釜 茂庵・弥生

2014年03月02日 | 献茶式&茶会  京都編
                    茂庵の茶室・清閑亭

             
                    床に生けられた花

3月1日(土)に茂庵・清閑亭の月釜へ行きました。

神楽岡通から吉田山の茂庵へ辿りつくと、3月というのに汗をかき、
息が上がっています。
14時過ぎに伺うと客は4名、私としては嬉しい席でした。
藪内(やぶのうち)流のお点前を拝見できるのも楽しみの一つです。
長板に水指と杓立が置かれ、お点前さんは若い男性でした。

              
               神楽岡通から茂庵入口へ

              
                 途中の町家の猿・・・人待ち顔?

             
お菓子が運ばれ、早速に頂戴すると、
「引千切」(私は「ひっちぎり」と呼んでいます)、
草餅をひきちぎったような形の台にきんとんが乗っています。
きんとんは白いのと、ピンクの2種類で、紫野源水製。

「引千切」は由緒が古く、宮中の祝儀に用いられた
「戴餅(いただきもち)」に由来しています。
京都では昔、女の子が生まれると、この菓子を婿方の家へ贈る風習が
あったそうです。
今では雛祭といえば、「引千切」が登場します。

              
                    市中の山居 茂庵

              
                   もう一つの茶室 田舎席

八畳広間の床に内裏雛と桜が描かれたお軸が掛けられています。
席主の誕生を祝って贈られたもので、作者の名前を忘れましたが
堂本印象の弟子だそうです。
花は山茱萸、相模侘助、白椿、花入は陶芸をされる半東さんの自作です。

片身替りの小振りの茶碗で薄茶を頂戴しました。
細かな泡が美味しさを一層引きたて、お点前さんに感謝です。

拝見の棗を清めている所作に目が留まりました。
右手で畳んだ帛紗を持った手が左ひじの方へから大きく棗を一回、
先ほどより小さめに左から棗をもう一回清めました。

「何か武道の動作を所作に取り入れたのかしら?」
興味津々で席主にお尋ねすると、
藪内流は男点前と云われ、動作が大きく、勇壮な所作が多いそうです。
でも、拝見の時は拝見用帛紗をだして、どんなものでも拝見に出されたものは
有難く丁重に扱うとか・・・とても新鮮で面白いお話を伺うことができました。

              
                (はじめて見た「菱荘り」に感謝です!)

最後に茶碗と建水を引き、長板に水指、杓立、蓋置、帛紗を荘りつけました。
長板を使う点前について伺うと、
「今日の長板を使う点前は最後に帛紗を荘って菱形にするので
「菱荘り(ひしかざり)」と呼びます。
 藪内流では珍しい女点前で、雛祭に因む席で使われます」

今日、月釜に来て、「菱荘り」を初めて拝見できて本当に好かったです。
雛祭のご趣向に感謝して、茂庵・清閑亭を後にしました。

                                 のち 


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