暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

四ヶ伝の菓子

2012年08月05日 | 自主稽古(京都編)&奥の細道会
京都へ来てから慢性的な稽古不足を感じています。
自主稽古では一人で主客をやるのですが、時折寂しさむなしさを感じます。
「どなたか、お稽古に付き合ってくださらないかしら?」

そんな風に思っていたら、同好の士が現れました。
猛暑の最中ですが、いや、この暑さだからこそ稽古をしたい・・・と、
我が家へ来てくださいました。 感謝・・・感激です!

              
                 (玄関の土間を夏風にしてみました)

科目は四ヶ伝。
裏千家流では四ヶ伝と呼ばれる、唐物(からもの)、台天目(だいてんもく)、
盆点(ぼんだて)、茶通箱(さつうばこ)、和巾点(わきんだて)があります。

四ヶ伝(しかでん)と言っていますが、従来は「欄外」に区別されていた
和巾点が加わり、全部で五つです。

いずれも相伝で、教本がなく、全て師匠からの口伝です。
四ヶ伝に限らず、お家元から師匠を通して「許状」を頂戴してから、
お習いすることが許されます。
四ヶ伝のさらに上には奥伝と呼ばれる台子点前があります。

四ヶ伝は、奥伝(上級)の準備段階として、唐物、盆、天目茶碗、台などの
道具の取扱いを学び身に付ける、中級クラスの位置づけです。
反復練習あるのみですが、奥伝の稽古が進むと、
難しかった四ヶ伝がうそのように解り易くなる・・・というのは
誰もが実感するところです。

              

自主稽古にあたり、濃茶と菓子を用意しました。
四ヶ伝の菓子は三種とされています。
「前席では数々のお菓子を美味しく頂戴し、ありがとうございました。
 お菓子は?・・・・・」

三種の内容ですが、稽古では主菓子一種しか記憶がありません。
そこで省略なしに三種用意してみることにしました。
これも教本や写真がなく、茶友に電話でお尋ねしたり・・・四苦八苦でした。

主菓子二種と水菓子一種を縁高に盛りつけてみました。
主菓子は薯蕷(うちわ、松彌製)と棹もの(したたり、亀廣永製)、
水菓子は沖縄土産に頂いたマンゴーを用意しました。

実際の自主稽古では、冷やした「したたり」が間に合わず、
薯蕷(うちわ)、夏越川(鶴屋吉信製)、マンゴーとし(写真)、
黒文字に前夜削った杉箸を添え、露を打ちました。

最初に水屋で頂戴しました。
「三種頂いても丁度よい量が良いそうです。美味しい・・・!」
「黒文字は持ち帰るけれど、杉箸は折って縁高へ入れるとか・・・」
いろいろ知らないことを教えて頂きました。

省略なし、教本なし・・には困ったけれど、試行錯誤が面白かったです。
八月の稽古はお休みなので、九月になったら伝物の菓子について
先生にお尋ねしたい・・・と思っています。

              

四ヶ伝のお点前で頂いた濃茶は格別の味で、三服も頂戴しました。
濃茶は、柳桜園の「錦上の昔」と祇園辻利の「壷中の昔」、
水は下御霊神社の水を用意しました。

また自主稽古に付き合ってくださるそうで、次回が楽しみです。

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