暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

瓢亭の朝かゆ

2012年08月23日 | 京暮らし 日常編
京都では大気の状態が不安定で、連日雷雨が続いています。
でも、どしゃぶりの後は涼しく、毎日スコールが欲しい猛暑です。

そんなある日、あこがれの瓢亭の朝かゆをご馳走になりました。
瓢亭の朝かゆは、7月と8月だけと聞いていたので、
8月末の誕生祝いを少し早めにしてくれたそうです。
そういうことなら、誕生日が早く来ても何も不満はございません(アリガトウ!)。

瓢亭のパンフによると、
京都南禅寺畔「瓢亭」は、四百年余り前より南禅寺の参拝客を
もてなす茶店として構えたのが始まりです。
特に「一子相伝」といわれる「瓢亭玉子」が評判となり
天保八年八月十五日から料理屋としての看板を上げました・・・

             

8時の予約なので、7時40分に家を出ました。
・・・もちろん、自転車です。
茶店の風情を残す待合で待っていると、
着物姿の仲居さんが離れの部屋へ案内してくれました。
苔の美しい庭に離れが点在し、全部で四棟あるそうです。

             

             

お部屋は四畳半の落ち着いた茶室で、窓外に隣りの無鄰庵から
水を引き込んだ池がめぐっています。
涼やかな水音に耳を傾けていると、小鳥のさえずりが聞こえ、
蝉の鳴き声もいっぱいでした。
お軸は笹に鮎でしょうか、即中斎の賛で「清流」、
仏壇のような小棚に金水引と槿(そこべに)が生けられていました。

             
             
             

冷たいおしぼりと梅昆布茶が出され、一息していると、
最初のお膳(口取り、炊き合わせ、酢の物、和え物)が出されました。
口取りは、瓢亭玉子、小鯛の笹鮨、枝豆、鱧の南蛮、
炊き合わせは、茄子の胡麻味噌添え、麩、湯葉、
酢の物は、鱸、キノコ、みぞれ酢和え、
和え物は、三度豆の山椒和え・・・だったと思います。

             

それから、朝かゆと思えぬほど次々に料理が出され、
豆腐と海苔の椀、鮎の焼物、最後にかゆと漬物が出されました。
かゆに添えられた葛あんが珍しく、漬物も良し、葛あんかけもよしで、
おかゆにバリエーションがでますね。

             

朝かゆらしく素朴な料理が多かったので、とても参考になりました。
「瓢亭玉子」は半熟のとろり加減が絶妙で美味しく食べましたが、
一たらしされた醤油の味に工夫があるみたいです。
一度は「瓢亭玉子」にチャレンジと思い、玉子だけすぐに買い求めましたが、
安売りの玉子ではだめなのかしら??

何十年も夫婦をしていると話すこともないのですが、
料理一つ一つの材料や味付けの話はいつも盛り上がります。

こんどはいつ瓢亭へ来れるかしら? 楽しみが増えました(ヨロシク!)

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