暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

智積院の暁天講座

2012年08月03日 | 京暮らし 年中行事
ロンドンオリンピックのテレビ観戦で連日夜更かし。
早朝はきついのですが、8月2日の智積院・暁天講座へ出掛けました。
これが素晴らしい暁天講座でして、がんばって早起きして好かった!

                 
                 (カメラを忘れて・・・大蓮寺の蓮)

7月29日に参加した知恩院より遠いので、5時20分に出発です。
東山七条の智積院をめざして自転車を走らせると、ほとんどが下りで、
改めて南へゆるやかに傾斜している京都の地形を実感できました。

智積院は初めてですが、弘法大師の開いた真言宗・智山派の大本山で、
格式のある大きな寺院でした。
とにかく、京都のお寺の立派なことや大きさにはびっくりします。
本堂で6時から朝のお勤めが始まり、その後智山勤行式にのっとり、
般若心経などを全員で唱和しました。

                  

暁天講座の演題は「いのちをみつめる」、
講師は栃木県鹿沼市にある薬王寺住職・倉松俊弘(しゅんこう)師です。
倉松師は医者として小児医療に長年携わっていましたが、
生家の薬王寺を継ぐことになり、平成13年に智積院で1年間修業をされたそうです。

「いのちをみつめる」と題して、
  いのちとは?
  生きるとは?
  死ぬとは?
大変重い課題を、あるときは科学者らしく、あるときは医者らしく、
あるときは僧侶らしく、お話しになり、最後まで惹きつけられる内容でした。
中でも「三つの涙」のお話しが心に残っています。

私たちはいつか身近な人と死別し、涙を流しますが、
同じ涙でも意味が違うそうです。
 1.不解の涙・・・49日の涙は、訳が解らずハラハラと涙が流れる、不解の涙
 2.悲しみの涙・・・90日頃、故人が亡くなった悲しみが実感となって流す涙
 3.感謝の涙・・・半年ほど経ったお盆の頃、故人から受けた数々の御恩を
          思い出しながら、感謝して流す涙

母が亡くなって3年経ちますが、時折思い出し、後悔ばかりでメソメソしていました。
この涙は、亡き母への感謝の涙なのだ・・・と納得し、
大いに感謝の涙を流そうと思いました。
おかげさまで救われました・・・ありがとうございます。

                   

暁天講座終了後に、境内にある宿坊で朝粥が振舞われ、
柚子入り豆腐ともども美味しく頂きました。

その後も参加者へ公開された、長谷川等伯の障壁画(国宝)を
心ゆくまで鑑賞し、利休好みと伝える庭を見ながらしばし閑座し、
講堂にある田渕俊夫作の襖絵(水墨画)に魅せられるなど・・・
素晴らしい出会いが続きました。      (合掌 

「京都ってすごいなぁ~。京都に住んでシアワセ・・・」
と京都の魅力と懐の深さを改めて実感した早朝のひとときでした。

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