麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第347回)

2012-09-30 21:41:54 | Weblog
9月30日


神保町の古本屋で、ひさしぶりに世界文学大系を1冊買いました。800円。安い。ドイツロマン派集。なによりヘルダーリンの「ヒュペーリオン」の手塚富雄訳が入っていたから。少し読んだけど、すごくいい。最近出た文庫の訳がしっくりこなかったのですが、さすが手塚富雄先生。高尚な感じがヘルダーリンに合っていると思います。ヘルダーリンについてほとんど知りませんが、発狂してしまい、後半生は狂人のまま生きたということです。気になりだしたのは、「有と時」を東京堂で予約して買った97年ごろ。ハイデッガーがヘルダーリンにこだわっているのを知ったから。その後、川村二郎訳の岩波文庫「ヘルダーリン詩集」の「私が子どもだった時…」を読んで、いま風にいえば鳥肌が立ちました。わかりすぎて。それで「ヒュペーリオン」を読んでみようと思い始めました。いま、仕事がなければ2週間ほどこの作品に没頭してみたいですが、小金の奴隷である自分にはかなわない夢。おのが非才のなすところとはいえ、クソのような人生です。


コメント (2)
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