麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第297回)

2011-10-15 14:31:25 | Weblog
10月15日


湿度が高くて不快です。

これまで、全創作を読んだのは、ドストエフスキーとプルースト(「ジャン・サントゥイユ」は完全に草稿なので中途で挫折しましたが作品に数えません)と今回の志賀直哉の3人だけです(サリンジャーは、「ハプワース」のみ、持っているけど読んでいません。埴谷雄高は短編を全部は読んでいないので)。
よほど相性がよかったのだと思います。

志賀直哉を読んでいる最中「カラマーゾフ兄弟」を読んだのは、なにかこてこての文章が読みたくなったからです。こてこてでも、新しい設定を頭に入れるのはわずらわしかったので、骨組みが完全にわかっているものを読みました。最近、同じ欲求で読んだのは「ゾーイー」です。これもこてこてで満たされました。「ナイン・ストーリーズ」もいくつか読みなおしました。慣れてきた柴田元幸訳がいいですね。


新潮文庫の「清兵衛と瓢箪・網走まで」が改版になりました。これも偶然のタイミング。帯に「翻訳不可能云々」と書いてあり、本当にそうだな、と思いました。翻訳不可能なものが難解でダメなものだとはまったく言えない。百も、もちろん、翻訳不可能でしょう。

そうだ。日本永住を決めたドナルド・キーンの「日本文学史」(近代・現代篇二)も読みました。独歩、漱石、鷗外、白樺派など、一番興味深い巻でおもしろかったです。

では、また来週。


コメント
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