鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

仰天人事の横河ブリッジ

2006-04-27 | Weblog
 鋼鉄製橋梁専業最大手の横河ブリッジが監査室長に代表権を与える発表をし、話題となっている。新会社法が5月1日から施行され、企業に内部統制システムの構築が義務づけられ、企業のコンプライアンス(法令順守)が求められるなかで、思い切った人事をするもので、これで果たして不祥事の再発が防げるものなのか、そして、社員のモラルにどう影響を与えるものなのか、気になる人事である。
 横河ブリッジは昨年、日本道路公団の橋梁談合事件のリーダー的役割を果たしたとして、当時の原田康夫社長が辞任し、吉田明常務が業務本部長から監査室長に専任し、社内通報制度の整備や、全社員を対象にしたコンプライアンス研修などして、談合の再発防止に努めてきた。この3月に公正取引委員会による課徴金納付命令が出たことから、一連の事件の処理にメドがついたこととし、長谷川鍬一会長が退任するとともに吉田常務取締役監査室長に代表権を与え、内外にコンプライアンス重視の姿勢を印象づけることにした。
 そこで、疑問が湧くのは監査室は本来、監査役の下で監査業務を行うのが使命である。会計監査や、日常の業務監査も行う。で、監査役は社長以下取締役の業務の執行状況をチェックする立場にあり、当然常務取締役も対象になる。とすると、監査室は監査役の下で監査活動をしながら、監査室長にも報告し、その監査室長は監査役から仕事ぶりのチャックを受ける、しかも監査室長は会社を代表する代表権も持っている、というややこしい関係になってくる。監査役の仕事がなくなってしまうのではなかろうか。
 監査室長に代表権を与える前にそもそも監査室長に取締役を充てた昨年の人事が問題なのである。横河ブリッジにきちんとした監査ができるのか、と不安になってくる。会計監査法人は協和が担当しているようだが、当の協和監査法人がこれについてどういう見解を持っているのか、気になるところである。
 本来、コンプライアンスの最高責任者は社長がすべきことである。それを一常務取締役に担当させるからややこしいことになる。せいぜい、社長直轄とし、部長クラスが室長を務めればいい。
 横河ブリッジは年間売上高500億円で、従業員700人のいわゆる中堅企業である。いまでは横河電機の子会社の感はあるが、設立年をみると横河ブリッジのが古く、横河ブリッジが横河グループの創業会社のようだ。談合ですっかり名が売れたものの、東証一部に上場しているが、世間的にはそれほど有名な会社ではない。同族経営が長く続いてきた企業で、企業経営のなんたるかがまだあまりよくわかっていないのではなかろうか。
 日本の企業のコンプライアンスなんてこんなものかもしれない。
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4 コメント

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情報は正確に (館   哲)
2007-11-25 11:41:14
2006-4-27のLOGをいつまで載せておくのか。
横河グループの創業は横河建築設計です。
横河電機には横河のご子息は残っているが、横河ブリッジには長らく横河家が経営陣にいませんでした。
そもそも同族経営の定義を知っているのですか。
横河はグループとして緩やかなの連携があるのみで、同族経営といえる、株の持合はないとおもいますが。
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Unknown (札幌太郎)
2009-06-18 07:04:00
○ ○君
千歳で大事故起こした後、東京に逃げちゃったけど責任取ったか。
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Unknown (Unknown)
2012-08-30 18:29:21
昔の事だろうが過去の事として忘れてはいけない。いつまでも反省し続けなければいけない
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Unknown (Unknown)
2015-06-02 15:40:56
↑韓国人乙
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