鈍想愚感

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武器商人である正体を明らかにした米トランプ大統領と100%一体である安倍首相は唯一の被爆国である日本の首相にふさわしいのか問題だ

2018-02-04 | Weblog

 米トランプ大統領はこのほど今後5~10年間の核政策の指針となる核戦略見直し(NPR)を発表した。新たな小型核兵器や核巡行ミサイルの開発に手をつけ、核兵器を使わない攻撃への反撃にも核を使用する可能性を明記し、核の役割を拡大する方針を闡明にするもので、前大統領のオバマ氏が目指した「核なき世界」の理想を事実上放棄した。昨年はじめに米大統領就任以来、アメリカンファーストを打ち出し、世界のリーダーとしての使命を放棄してきたが、そのうえでトランプ大統領が真に画していたのは核を使うことによって、米国の兵器産業に資する武器商人に他ならない本性を如実に示したこととなる。

 トランプ大統領は就任以来、TPPから離脱したり、地球温暖化による環境汚染を防ぐパリ協定から離脱、さらにはオバマケアを取りやめたりしたり、従来の路線をことごとく変えてきたが、唯一、経済施策の企業減税効果でここへきてニューヨーク証券取引所の株価上昇で経済な施策が効を奏しているような状況が出ていることを背景に若干、路線を変えつつあるような印象を与え始めた。先月末にスイスのダボス会議に米大統領としては数十年ぶりに出席し、TPPに参加することもありうるような発言をし、やっと国際協調に乗り出すような気配を伺わせた。

 といってもそれはあくまでもリップサービスだったようで、就任以来のいかにも米国ファーストはじめ数々の振る舞いはこの核戦略見直し(NPR)発言を行うための事前のパフォーマンスに過ぎなかったことがこれではっきりした。このNPR宣言こそがトランプ自身が目指していたものであることが明らかとなったわけだ。弱い立場にある白人労働者やデトロイト周辺のラストベルト地帯の工場労働者を救うためでなく、強い米国を取り戻すためでもなく、トランプ大統領は米国の産業界、そのなかでも兵器産業界のことだけを考えて行動しているのだ、ということが示されたわけである。

 米国大統領としては珍しく企業経営者上がりで、米国産業界が政治に何を求めているのかを一番よく知る立場にあったのがトランプ大統領である。もともと米国の共和党は米国北部の重工業地帯をバックとし、米国産業界の支持のもとに成り立っている組織であり、産業界と一体化した団体でもある。そのなかでも大きな力を持っているのが宇宙、防衛産業であるのは明らかな事実である。核なき世界を目指すことなど彼らにとってはとんでもないことある。核の脅威を世界に振りまく北朝鮮の存在は格好の好機とでもとらえたのだろう。

 米国内に北朝鮮に核を撃ち込む作戦が密かに進行している、という。米国にしてみれば、北朝鮮が米国に打ち込んでくる核を打ち落とすことなどわけなくできる、と判断しているのだろう。ただ、現在韓国に駐留している米国軍はじめ米国人が10万人いるとされているし、北朝鮮から韓国および隣国の友好国である日本への核攻撃に対し、万全の備えが行われているかは定かではない。

 安倍首相のトランプ氏の大統領就任前からまるでポチのようにしっぽを振って近づき、事あるごとに「米国と日本とは一心同体で、対北朝鮮政策は100%一致している」と広言してきているが、ことここに至ってもそう言い切れるのか。米国からどんな説明を聞いているのか、国会で明らかにしてほしいものだ。昨年ノベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(アイキャン)」の代表を来日した際に逃げ回って、面会しなかった安倍首相はトランプのNPR宣言をどう受け止めているのか、正面から答えてもらいたい。

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