鈍想愚感

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安倍首相が突然、宮古市の中学校の卒業式に顔を出し、祝辞を述べ、あまつさえ卒業生代表に色紙を手渡した

2017-03-12 | Weblog
 12日昼のNHKニュースを見ていたら、安倍首相が被災地の岩手県を訪問し、宮古市の市立第一中学校の卒業式に顔を出し、卒業生に祝辞を述べたうえ、卒業性代表に「希望」と書いた色紙を贈った、と報じていた。昨日が東日本大震災6周年だったので、その翌日に首相が被災地を訪問することは理解できるが、一国の首相がわざわざ地元の中学校を訪れ、祝辞まで述べるというのはいままでしたことがないので違和感を感じた。いま大阪の森友学園への国有地の格安な価格での払い下げが国会で大きな問題となっており、その裏で安部首相夫妻の関与が取りざたされているのに自身は教育にこれだけ関心があるのを見せつけようとせんばかりのパーフォーマンスはみえみえみえである。
 
 安部首相は「皆さん一人ひとりの希望が宮古、岩手、東北の復興に、そして日本の発展につながっていくと確信する」と祝辞を述べた。昨日の政府主催の追悼式では原発被災には一切触れず、復興を強調した安倍首相はここでも復興を強調した。そして卒業生代表に自ら書いた色紙を手渡した。テレビには校長先生らしき人もなく、檀上の演壇の横の椅子にたった一人腰かけている姿が映っていたが、見ていて、数ある中学校のなかでなぜこの中学校が選ばれたのか、奇妙に思ったことだろう。祝辞を聞く中学生もそう思ったに違いない。

 どうせ安倍首相の取り巻きが訪問先の宮古市で卒業式が行われる中学校を選び、安倍首相自らが訪れることを進言し、それに乗っかったのだろうが、ここまでやるのは異常と言わざるを得ない。それを昼のニュースで大々的に報じるNHKも安部首相の取り巻きとみられても仕方ないだろう。

 考えてみれば一昨日の夕方に焦点の森友学園の籠池泰典理事長が大阪府へ提出していた新設小学校の許可申請を取り下げたことで記者会見している最中に安倍首相が「スーダンへの自衛隊派遣を取りやめる」と記者発表した。民進党はじめ野党から国会でスーダンへのPKO部隊への自衛隊の派遣は取りやめるように再三にわたって要望されていたのを突如、「取りやめる」と発表したのだ。国会では自衛隊の派遣取りやめことを決して言明しなかったのにいまになってとりやめることを言明したのは籠池会見への注目から世間の目をそらそう、と目論んだのに違いない。なにも金曜日の夕方に発表しなくても週明けに言明してもよかった、と思う向きが多かった。

 大方は森友学園問題で政府への追及が厳しくなっているの避けるために籠池理事長の記者会見にぶつけて急遽発表となった、といみている。さらに消息筋によれば、この11、12日に安倍首相が常に気にかけている大手マスコミ各社の世論調査が行われることになっており、森友学園問題で安部内閣への支持率は5、6%は低下するのは避けられない、とみられていた。今回の中学校への突然の訪問も同じ効果をねらったものといってもおかしくないだろう。

 本当に安部首相は世論調査の結果を気にする首相である。安倍首相はもうひとつ東京株式市場の日経ダウ平均の動向にものすごくセンシティブであるのは有名であり、首相官邸には日経ダウ平均株価のグラフが壁に貼ってある、ともいわれている。日経ダウ平均株価はあたかも安部内閣の経済政策がうまくいているかどうかの指標とみているわけで、即内閣支持率に響くと思っているのだろう。過去の内閣でこれほど世論調査、およびに日経ダウ平均株価動向を気にする内閣はみたことがない。自ら執っている政策に自信があれば、こんなにセンシティブになることはないことだろう。ひょっとすると安部首相自身は気の弱い人なのかもしれない。こんな人が一国のトップに座り続け、だれもその首をとろうとしないのも異常といえば異常なことである。
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