鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

蟻にたかる広告代理店の奇妙な生態が明きらかに

2012-09-06 | Weblog
 5日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴にでかけた。午後1時半から706号法廷の広告代理店のアサツーDKが広告主のアートコーポレーションらを相手取って業務委託料請求している事件の証人尋問を傍聴した。証人席には広告代理店、アデックスの元社員が座り、アートコーポレーションへの広告代金が滞って困惑している状況が明らかになった。アートコーポレーションへの広告代金が未収の広告代理店5社が某月某日集まって協議したが、肝心のアートコーポレーションの広報室長が出てこないのでなんともならない、などとやりとりがあった。
 次いで証人席には被告の広告代理店デルフィスの役員が座ったが、尋問に答えて、アートコーポレーションから8億3000万円で広告業務を請け負ったが、それを8億円でアートコーポレーッションのハウスエージェンシーであるアイエヌジー社に発注したことを証言した。しかもその代金は即金で払った、という。さらに以前にアイエヌジーには5億円の債務があったので、それを差し引くとアートコーポレーションには3億3000万円の債権が残ることとなった、いう。
 それをアートコーポレーションの指示で、アサツーDKに引っ越し情報ポータルサイト構築費という架空うの名目で請求してくれ、ということになった、という。もうひとつ不可解なのはアートコーポレーションへの広告代金請求については広告代理店同士で貸し借りする衛星スキームのようなものがあり、それには誰がはらうのかわkらない金利が付く仕組みなっていたともいう。その金利も代理店によって差があった、というのだから、わけがわからない。デルフィスはアサツーDKから訴えられている被告でもあるのだが、法廷の外に張り出してある掲示ではマジックで被告名のところが塗りつぶされていた。
 デルフィスがアートコーポレーションから受注した8億3000万円の広告業務はテレビ、電話帳、WEB広告などの媒体費であるが、なぜそんなトンネル会社のような役割を果たしたのか、実態はどうだったのか、聞いていてもさっぱりわからない。もともと、広告業界には特有の商慣行があり、それに既得権益のような他業界の人が聞いたら初めてきくような妙なビジネス形態となっている。聞いている裁判官も半ば目を白黒させて、なんという業界なのか、とあきれ返っていたような感があった。
 いくら聞いていてもどうしてそんなことがまかり通っているのか不思議な感じは否めなかった。アートコーポレーションは数年前に会長のセクハラ事件などもあってか不祥事で上場廃止に至っているが、往時は盛大にテレビ広告を展開して、広告界の寵児的存在だった。そうした急成長企業に蟻のように広告代理店がむらがって、今回のような事件に至ったのだろう。もともと、広告業界は広告の発注し際しては発注書あんるものがないのが当たり前のような前近代的な業界慣行がまかり通っており、特に急成長会社は広告代理店につけこまれる隙がある、とも見られてしまうのだろう。
 裁判の証人尋問としておかしいと思ったのは2人の証人とも原告のアサツーDKとは関係のない人で、およそ原告の証人というよりは被告側の証人といった感じだった。おそらく、アサツーDKの主張は認められないことだろうが、それにしては3人もの弁護士が膨大な資料を机の前に広げて必死に尋問していたが、被告のアートコーポレーションの弁護士の方に理があったように見受けられた。
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