鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

これだけ携帯電話が話題の中心なのに焦点をあてた刊行物やイベントがない

2010-05-15 | Weblog
 先日、東京・新宿の伊勢丹へ買い物に行ったところ、1階正面を入った場所で向こうから見たような顔の人がやってきて、すれ違いざま、会社の後輩のS君であることが判明した。2年ぶりに思わぬところでの再開であり、挨拶もそこそこに近況を伝える言葉を2、3交わしたが、なにせ人の行き来の激しい場所で、なおかつお互いに連れ合い連れで、満足に話もできずに「そのうちに」ということで別れた。で、14日にかつての会社の近くで合い、そば屋でランチを食べた。
 S君とはIT関係の刊行物の編集をしている時の仲間で、S君にはたった1人だけで編集する「1人1殺」ならぬ「1人1冊」の使命を帯びてもらったことがり、お世話になった。まず、最近のIT業界や、お互いの近況を報告しあったところ、S君はいまはネット関係の開発なることに携わっている、とのことだった。で、2人で話し合ううちに携帯電話に関する専門の刊行物なり、イベントなどいわゆる情報発信がないことに行き着いた。
 そういえば、このところ携帯電話に関する話題は毎日のように溢れかえっているし、いまや現代人は携帯電話なくしてはビジネスも生活も成り立たないほど浸透している。日本人に限らず、いまや世界で1人1台に近づいているし、インフラとして携帯電話は欠かせないものとなっている。携帯電話の通信事業者としてはドコモ、au、ソフトバンクの3社がほとんど独占しているが、その周囲に群がるシステム、ネットワーク、ソフトウェア事業者は数限りなくあり、そうした事業者が携帯電話に乗るソフトウェアを日夜開発し、ユーザーにアピールしている。
 いま話題のiPHONE、iPODで使えるソフトウェアは毎日のように海外から輸入され、日本向けに発売されたり、新規に日本で開発されたりしている。ひところ前に若者を中心に爆発的な人気を誇ったモバゲータウンなるものも携帯電話をベースとしたものだし、昨年一挙に年商80億円を稼ぎだしたとして話題となった「GREE」なるゲームも携帯電話上のものだった。
 音楽のCDが売れないのも携帯電話によるダウンロードが行き渡ってのものだし、本や雑誌が売れないことや、中央競馬会の売り上げが低下気味なのも携帯電話への通信料がかさんでしまい、他への消費支出を控えざるを得ないことに他ならない。消費者の実際の生活においても産業界においても携帯電話の占めるウェイトは確実に高まっている。
 かつてマイクロソフトパソコンの基本ソフトウェア、WINDOW95を発表した1995年にパソコンブームなる現象が起きたが、いまの携帯電話はその当時を彷彿させる雰囲気がある。すでに携帯電話でインターネットにアクセスできるようになっており、パソコンの機能の幾分かを取りこんできていて、いずれ携帯電話がパソコンに置き換わる時期が来るかもしれない。
 その割りには携帯電話をビジネス的に捉えた雑誌なり、ニューズレターなどの刊行物が見当たらないし、展示会、セミナーなどのイベントがないことは一体どうしたことだろうか。
少なくとも携帯電話関連のシステム会社に焦点をあてた「モバイル・システム」なる企画はうまくいきそうな気がした。
 S君に社内で企画立案することを勧めたが、出版不況で全社的にすっかり弱気ななっている会社の上層部が重い腰をあげてくれるかどうか、見ものである。
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