鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

麻生政権に究極のダメを押す「ペット税」構想

2008-12-30 | Weblog
 29日テレビのニュースを見ていたら、政府は来年度からペット税なるものを導入する考えである、と報じていて、驚いた。どうせ鳩山邦夫総務大臣あたりが不況で税収が落ち込むのをなんとかカバーしよう、と考えだしたものだろうが、ペット税を課すことにしたら、いまでさえ定額給付金の実務で大混乱している全国の市町村の窓口が余計にパニックに陥ることは目に見えている。税収入を増やそうとのねらいから新規に課税対象を考えるのは無理からぬところがあるが、実務を考えるととても実現は難しいことがわかる。そんな簡単なことがふっと外部に出てしまう麻生政権はもう瓦解寸前である。
 テレビ報道によると、「ペット税」は当面犬猫を対象に考えているという。現在、犬猫のペットを飼っている世帯は相当数にのぼり、少子化の時代で児童の数よりペット数のが多い、という。仮に1000万匹として、1頭に年5000円でも課税すれば、一挙に2000億円の税金が新たに生まれることになる。
 ただ、問題はペットを飼っている世帯をどうのように把握し、どういう時点で、どう徴収するか、となると簡単にはいかないことがすぐわかる。仮に市町村にペットを登録するとなると、人の出生・死亡届のような戸籍で管理しなければならない。一辺に何頭も生まれてくるペットの赤ちゃんをどうしたかも一々届けなければならない。受け付ける方もデータベース管理しなければならず手間もかかる。
 登録でなく、保健所で狂犬病注射でもする際に登録証を発行することも考えられるが、猫の場合はそうしたものが見当たらない。鑑札のようなものを発行し、それがないと無許可の飼育として取り締まられる、ということにしても飼うごとに届け、受け付けるのが手間である。
 いっそペットフードに課税する手もあるが、ペットフードを食べないペットが課税漏れとなる惧れがある。
 ペットに関係する業者で、税金の徴収を義務つけられるようなしっかりとした業者がいるような業界ではない。
 さらには課税を逃れた飼い主に罰金を課するような規則を作らなければならないが、効力を発するとは思えない。
 麻生首相が打ち出した定額給付金が1兆2000億円を交付するのに2000億円もの経費がかることが判明し、いまや宙に浮いた格好となっており、麻生内閣の低支持率の大きな要因となっているが。ペット税構想はさらに支持率の低下をもたらすものであるのは間違いない。
 徳川5代将軍、綱吉が犬を奉った御触れを出し、行政を大混乱に陥れたが、ペット税も行政を混乱に陥れる以外のなにものでもないことは確かである。
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