鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

華麗な王宮での舞踏会の雰囲気を十分に楽しめた「シンデレラ」

2008-12-22 | Weblog
 21日は東京・初台の新国立劇場でバレー「シンデレラ」を観賞した。冬至とは思えない暖か陽気のなか、劇場へ行くと、ロビーは年末のパーティを思わせる雰囲気で、シンデレラのガラスの靴を載せたお盆を持ったバレー団員がうやうやしく徘徊いるのに加え、着飾った少女に対し、ネイルアートの付加サービスが行われ、母親らしき人がたむろしている。1999年以来、毎年この時期に公演されている演目のようで、バレーに携わる人の交流会ともなっているようだ。それにしてもバレーを習っているのであろう少女が多い。
 お馴染みの「シンデレラ」は茶の間でくつろく姉妹の横で召使いのシンデレラが暖炉の傍で家事にいそしんでいるシーンから始まる。姉妹は楽しくじゃれ合っているのに、粗末な服を着たシンデレラはさびしそうにしている。王子さまの舞踏会に招待された姉妹は大喜びで、着飾っていそいそと出かけていく。残されたシンデレラのもとへ森の妖精が現れ、おとぎの世界へと導き、シンデレラを王女さまに生まれ変わらせ、王子の舞踏会へ誘う。
 舞踏会では姉妹が王子のご機嫌をとろう、と必死になるが、颯爽と現れたシンデレラに心を奪われた王子は見向きもしない。妖精と王室の官女らによるバレーの群舞が繰り広げられ、会場から盛んな拍手を浴びていた。予め12時になると魔法が溶けると知らされていたシンデレラは12時になると、急いで舞踏会を後にして消え去る。
 いなくなったシンデレラを探して、王子は残されたガラスんぽ靴が履ける女性を探し歩き、姉妹の家に来てまず姉妹に履かせるが、足が大き過ぎて入らない。そこへ現れたシンデレラに履かせると、ピッタリと入った。王子とシンデレラは手を取り合ってお城へ行くところで幕となった。
 よく知っている筋なので、セリフがなくともわかるが、華やかな王宮のなかで展開される舞踏会をバレーで綴るのはいかにもふさわしい。以前に新国立劇場でバレーを観賞した時はいかにも出演者の教え子らしき観客がいっぱいいて、あらぬところで拍手が出たりして、いささかうんざりしてもう2度とバレーなんか見に来ない、と思ったが、この「シンデレラ」は十分に楽しめた。
 21日の公演の出演者はたまたますべてが日本人だったが、家に帰って、新国立劇場からのメールを見ると、20日からの公演で主役のシンデレラを務めたラリーサ・レジニナ(オランダ国立バレー団プリンシパル)が公演中怪我をして、日本人に代わる、と出ていた。バレーは体力の消耗が激しいため、連続して主役を務めず、日本人とこのオランダのプリンシパルとの日替わりとなっていたが、これで王子役のヨハン・コボー(これも日替わり)を除いていずれも日本人ダンサーによるバレー公演となった。オペラにしても最近は結構日本人歌手が主役を務めるケースが多く、日本人のレベルが上がったということなのだろうか。
 それにしても日本はオペラもバレーもいろいろな国の文化芸術がいながらにして観賞できる世界でも珍しい国ではなかろうか、と公演をみながらふと思った。
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