鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

北京オリンピックのボイコットも考えたら、福田さん

2008-03-20 | Weblog
 8月の北京オリンピックの開催が危うくなってきた。もともと北京の大気汚染が問題視されていたのに加え、中国政府のチベットなど少数民族に対する弾圧・強権的姿勢が国際的に非難を浴びるようになってきており、北京オリンピックへの参加をボイコットする動きが出始めているからだ。1980年のモスクワオリンピックも前年に起きたソビエト連邦のアフガニスタン侵攻に抗議して西欧諸国がこぞってボイコットし、ソ連につく東欧諸国ら一部の国だけで開催されたことがあり、今回もそれに近い雰囲気になってきた。
 マラソンで世界最高記録を持つエチオピアのハイレ・ゲラレシラシェ選手はこのほど北京オリンピックのカラソン競技に出場しない、と発表した。北京の大気汚染が体調に影響を与えるのを懸念したため、という。女子の世界最高記録保持者のイギリスのポーラ・ラドクリフ選手も持病の喘息によくない、として出場を見合わせるかどうかの検討に入っているし、テニスの女子世界ランキング1位のジュスティーヌ・エナン選手も出場しない、とも伝えられている。中国の大気汚染については昨年6月にドイツの週刊誌が「北京市の大気中の粉塵濃度は無風無雨状態で国際衛生基準の2~3倍で、中国では大気汚染により毎年5万人の新生児が死んでいる」と報じた。
 これに加えて大きな影を落としているのが政治的な動きである。すでに先月、映画監督のスティーブン・スピルバーグがスーダンのダルフールズでの集団虐殺を終結させるために中国政府が尽力しないことに抗議して、北京オリンピックの開会式/閉会式のアーティスティック・アドバイザーを辞退することを表明した。さらに最近はチベットの独立に対して中国政府が弾圧して、死者80人が出るなど中国政府の少数民族に対する強権的姿勢が国際世論の指弾にあい始めている。米国はじめEC諸国も中国政府に対して抗議の姿勢を強めている。すでに台湾などは北京オリンピックのボイコットを言い始めており、EC諸国にもそうした動きが出ている、ともいう。
 中国政府は口では平和を唱えながら、裏では少数民族に対する圧制を行っているお得意の二枚舌外交を展開しているわけで、中国製ギョーザで苦い目に遭っている日本もこの際、中国政府に抗議するような姿勢を見せてもいいと思うのだが、来月にも胡錦涛国家主席の来日を控えて何事も穏便に済ませたい心境の福田内閣にはとてもそうした度胸はないだろう。
 
コメント (1)
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