鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

トヨタ堅実経営の幻想にはまった石原都知事

2008-03-11 | Weblog
 東京都が10日発表した新銀行東京の実態調査によると、05年4月開業時の仁志泰正代表執行役ら経営陣が経営実態と取締役会に十分報告せずに、デフォールト(債務不履行)の急増を把握しながら融資拡大を続けて、06年下半期で予想より24億円多いデフォールトを発生せしめた、あきれた実態が明らかとなった。都は責任は極めて重い、として仁志氏らの責任を追及するというが、このほかにもあきれた経営にお杜撰さが明らかとなっており、石原慎太郎知事の辞任にもつながりかねない状況となってきた。
 新銀行東京は昨年末時点で取引している融資先1万3000社のうち約600社が事実上破綻、計86億円が焦げ付いていることがすでに明らかとなっており、さらに銀行側が延滞などで焦げ付くと判断した融資額が開業以来、累計で約2300社、金額にして286億円ある、という。
 しかも開業時に代表執行役のほか、執行役5人と取締役6人と役員が12人いたが、役員1人が06年3月に任期途中で辞任し、同6月には4人、同12月には1人辞任が相次ぎ、仁志代表執行役も07年6月に退任し、最終的には開業時から残る役員は2人だけになっている。開業以降に新たに13人が役員となったが、うち7人が辞任し、開業3年で役員17人が辞任している、という。
 これでは行員は落ち着いて仕事ができないだろうし、適正な融資・審査もできないだろう。役員が辞めた理由は様々であろうが、経営の実態に呆れはてて、逃げ出した、と思われても仕方ないだろう。そんないい加減な経営が行内に行き渡らない、と見る方がおかしいだろう。
 仁志前代表執行役はトヨタ自動車出身で、堅実経営で知られるトヨタ自動車の経営陣を担ったとして経営手腕に期待がかかったのだろう。が、いかにトヨタ出身でも兵が動かなければただの人ということか、トヨタにもカスがいる、ということか、いずれにしろお尻に帆をかけて逃げ出したのは事実だ。
 こんな経営実態を知ってか、知らずか、わからないが、さら400億円の追加出資をしないとつぶれてしまう、とノー天気な言動をしているのが石原知事である。
なぜ400億円必要なのか、どう経営改善を図るのか、といった合理的な説明もなく、追加出資しないとつぶれてしまう、と役人の言い分をそのまま言って
いるに過ぎない。文学や政治ではそれで通ったかもしれないが、論理の世界の経済はそれでは通らない。トヨタ自動車出身の経営者がいるから大丈夫とでも踏んだのだろうが、あなた任せの経済施策がいかにもろいものか、さすがの石原知事も今回ばかりは身に沁みて思い知ったことだろう。
 ただ、このところの役人の無駄遣いに都民の見る目は厳しいので、場合によっては石原知事の責任を問う声は無視できないものがあり、石原知事辞任になる可能性も否定できない。
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