鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

意外な側面みせたオノヨーコ

2007-12-11 | Weblog
 先日、NHKテレビ「この人にトキメキ」にオノヨーコが出演していたので、見てみたら、意外とオノヨーコの真面目な側面が出ていて、昔から珍奇なストリートパフォーマーといったイメージしかなく、なんとなく毛嫌いしていたのがやや修正された。最初に画面に登場した時には季節外れの白い帽子を被り、サングラスをかけ、74歳にして胸の谷間を見せる大胆なファッションで現れ、嫌なイメージそのものだったが、見ていくうちになぜオノヨーコが世界平和を叫ぶのか、がわかるような気になった。
 番組の最初で司会者が言っていたが、オノヨーコがテレビに生出演するのは今回が初めてだ、という。インタビューに答えて、サングラスの上目遣いに見る仕草は嫌味だが、話している姿、声はとても74歳のおばあさんには見えない。特にジョン・レノンと初めてロンドンの画廊で出会ったくだりを話している時は少女に戻ったような表情と仕草をみせて面白かった。当時、オノヨーコはビートルズのことを知らなくて、画廊のオーナーがオープン前に連れてきたジョン・レノンから作品に触れていいか、と聞かれて、「5シリング払えばいい」と答えた、と言う。良家の子女の恐いもの知らずの生き方がジョン・レノンの何かを揺さぶって、結婚することになったのだろう。そのあたりは詳細には語らなかったが、本人もわからないのかもしれない。
 そのうちにスタジオに置かれた白いキャンバスにオノヨーコが習字の筆でパフォーマンスをして、一つは横に線を描いた。これは地球全体を取り巻く巨大な円の一端だ、と哲学めいたことをいう。もう一つは漢字で「飛雲」と書いた。飛はともかく、雲の方はなかなかの書に見えた。
 そして、オノヨーコは司会のインタビューに答え、「まだ50年生きていっぱい仕事をしたい」と語った。オノヨーコの仕事とは一体何だろうか、とも思う。反面、50年生きたら124歳で世界最長老となってしまうので、そんなことは適わないだろうが、意気だけは買える。
 亡くなったジョン・レノンの命日は12月8日で、世界平和を訴える映画「PEACE BEDアメリカvsジョン・レノン」が8日から封切られることとなっており、どうやらこの番組はその宣伝となっていたようで、NHKとしてはややがっかりであった。
 それでも嫌味で生意気なオノヨーコしか知らなかった視聴者に可愛らしくて真面目に人生に取り組んでいるオノヨーコがわかったことが、よかった。そう思うということは鈍想愚感子も年をとったということなのかもしれない、とも思った。

 
コメント
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