鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

なぜ進まぬ、都道府県合併

2007-12-05 | Weblog
かなり前の新聞記事で鳥取県の人口が60万人を割った、というのが載っていて驚いたことがあった。60万人といえば、鈍想愚感子の住んでいる川崎市はもちろん、全国各地の都市の人口より少ない。この夏に山陰地方を旅行して鳥取砂丘を見て、駅前のホテルニューオータニ鳥取に泊まったばかりだったので、余計驚いたのかも」しれない。少子化と言われてもピンとこなかった向きもこうした数字を前にすると切実なものとして受け止めることだろう。それにしても、それでも都道府県の合併の声が起きないのはなぜなのだろうか。
 鳥取県の10月1日現在の推計人口が前月比205人減の59万9830人と1978年以来29年ぶりに60万人を割り込んだ。国勢調査に基づく同県の人口は、70年の56万8747人が戦後最少で、その後自然増などで80年に60万人を超え、85年に61万6024人になったが、以後は減少傾向が続いていた。少子高齢化に加え、近年の景気低迷により民間事業所・従業員の減少が大きな要因である。この一年の自然・社会減の合計は4157人で71年以降最大の減少幅だった。
 よく衆院選挙区の議員1人当たりの選挙民数で鳥取県が引き合いに出されるが、神奈川県のそれは鳥取県の4.86倍にもなる。行政単位として他の都道府県と同等に扱われることになるので、国民体育大会や高校野球でも県の代表にはすぐになれることになる。当然、地方財政も赤字で、地方交付税の交付を受けていることだろうし、人口が少ないが故の行政の非効率はいたるところに見られる、、lことだろう。自治省出身で有能とされていた鳥取県知事を務めた片山善博氏が2期で退いてしまったのもわかるような気がする。任期中、なんとか鳥取県の振興をあの手この手で図ろうとしたのであろうが、最後は矢折れ、刀尽きてしまったことだろう。
 それでも鳥取県と島根県が合併しよう、という声がほとんど聞こえてこない、のはなぜののだろうか。道州制を敷くような構想は北海道、東北などにあるが、こと都道府県合併についてはだれも言い出さない。小泉政権以来、中央と地方の格差が開いている折りだけに余計に都道府県の合併はタブー視されているのかもしれない。
 しかし、わずか60万人弱の鳥取県が1000万人を超える東京都と同列に扱われるのはどう見てもおかしいし、行政の無駄である。ここは前岩手県知事の増田寛也氏が大臣を務める総務省あたりで、音頭をとって都道府県合併を推進すべき、と思う。
 
コメント
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