鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

3階席からも楽しめるN響演奏会

2007-07-21 | Weblog
 N響の会員最後の楽しみとして20日はNHKホールで「N響夏2007」演奏会に出かけた。この1年、ずっと前から2番目の席で定期演奏会を聴いてきたが、NHKホールは3階まであると知って、もっと違う席で聴いてみたくなったのだ。といってもたまたま、3階のC席しか空いてなかったのだが、いざ席について崖の上から擂り鉢状に見えるステージを見てみると、いかにも遠い。団員の顔はまず見れないし、楽器を奏でる所作もよく見えない。それでも3階席の奥までぎっしりいっぱいで、N響人気の高さを感じさせる。それと若い人が多く、いかにも音楽を楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。
 指揮者に32歳の新鋭トマーシュ・ネトビルを迎え、モーツアルトの「フィガロの結婚」序曲から始まった。続いて、これも19歳のピアニスト、アレクセイ・ゴルラッチとベートーベンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」を演奏した。12歳でベルリン芸術大学に入学し、昨年の浜松国際ピアノコンクールで優勝した実力の持ち主とかで、華麗なタッチで聞かせたが、やや力強さに欠けるような感じがした。家に帰って、前に買っておいたCDで改めて「皇帝」を聴いたところ、ゴルラッチより強い音を出していた。
 後半はドボルザークの「交響曲第8番」で、どこかで聞いたようなメロディの部分もあったが、新世界だけでないドボルザークと思わせる交響曲であった。ネトビルは最後まで譜面を見ずに指揮した。団員が増えて、舞台いっぱいにいたせいか、見ているうちにそれほど遠い気がしなくなってきた。舞台が一望のもとに見渡せて、3階席であることも苦にならなくなってきたから不思議だ。1階席で聴くのと、音もそれほど差がない、と思った。
 演奏が終わって、カーテンコールに答え、ネトビルはさっと指揮台に上り、ブラームスのハンガリー舞曲第4番を演奏した。アンコールのないN響の定評を若さが打ち破ったのが面白かった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする