prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「チャッピー」

2015年06月15日 | 映画
完成したAIが人間の子供と同じような性格というのに、違和感を覚えた。
鉄腕アトムからキカイダーから日本の漫画やアニメの人間性を持つロボットが子供のイノセンスを持つのと似ていて一種おなじみになっているはずなのだけれど、どうも違う。

端的にいって人間性というのは幼児性の上に知性や社会性を積み重ねたものがデフォルトで、幼児性にはイノセンスばかりでなく暴力性や自分勝手さもあるのはギャング団の連中がすでにはなはだ幼児的なところを見ればわかる。またギャング団のはた迷惑さ加減に作者が中途からひどく甘い扱いになってしまうのもひっかかった。銃を振り回して強盗殺人を行う連中なんですけど。

細かいところで、誘拐した技術者をあっさり解放してしまったり、ヒュー・ジャックマンの悪役が工作するのにログが残るのをまるで頓着していなかったりといった細かいところの雑さもひっかかった。

人間の「魂」が切り離されて人工物に半永久的に保存されるということもないことはないだろうけれど、それにしては人間性とか魂とかいったものの捉え方が狙ってはいるのかもしれないが、いささか幼稚なのが気になる。イノセンスとガキっぽさや考えの足りなさは別だろう。

暴力描写が原因で一部カットされてPG指定に収めたというので「ロボコップ」「第九地区」みたいなハードヴァイオレンスが描かれるのかと思ったらかなり勝手が違う。明らかに切ったなとわかるところはあるけれど、それでテーマが変わるというほどではないだろう。

チャッピーの造形や動きはもう凄いけれど、それが当たり前になっていて驚かなくなっているからコワい。
(☆☆☆★)


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『チャッピー』 公式ホームページ

映画『チャッピー』 - シネマトゥデイ

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