prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「霧の旗」(2014 堀北真希版)

2015年01月11日 | 国内ドラマ
ヒロインの冤罪をかけられる兄が知的障碍者というのが脚色の新工夫で、ある程度気のきく弁護士だったら善悪の判断がつくかで争うと思うのだが、それがあっさり認められて有罪になってしまうあたり、障碍者に対する無理解ひとつだけでドラマが出切るのをはしょってしまった感じはある。
妹が働きながら足りない分は生活保護を受けているのにナマポの不正受給しているかのような目で見られるのも今風。

弁護士が冤罪事件を解決したのを見てヒロインが依頼しに来るのだが、結局正義感より勝てる裁判だから引き受けていたというあたりも、人権派といっても単純な正義漢・弱者の味方ではないという事実を押さえていて、それだけにこれまたもっと突っ込んでほしいと欲を言いたくなる。

山口百恵版ではヒロインに協力する新聞記者に三浦友和を配してのが工夫だったのだが、今回それにあたる役をやっているのがなんと高橋克実。

倍賞千恵子をキャスティングした時にもっと小悪魔的な女優の方がよくないかと言われたのに対して、監督の山田洋次は小悪魔的でない女性がやるから意味があるのだと反論したそうで、今回のもその線に沿ってはいるが、一種の悪役は映画の「白夜行」でもやっているのだし、意外性は必ずしもない。

しかしこの話、何度見ても逆恨み、というか恨む相手違うだろうと思う。ただ、大岡昇平は松本清張を「ひがみ根性の文学」と評したがそういう歪み方に清張の人気があるとも思える。
昔の貧乏人と金持ちの関係とは変わっているが、今の貧困あるいは社会的弱者のあり方がまたややこしくなっている感あり。

堀北真希が水商売をしているセクシーな扮装が宣伝に使われていた、というかメディアが勝手に変な盛り上がり方していたが、あれだけ綺麗で素人っぽいホステスしたら売れるなんてものではないだろうな。

改めて見てみると、ずいぶんこの原作ドラマ化されているのにびっくり。ヒロインだけ並べてみると、広瀬みさ、栗原小巻、植木まり子、大竹しのぶ、安田成美、若村麻由美、星野真理、相武紗季といったところ。

霧の旗(2014)- テレビドラマデータベース



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