prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「オーメン」

2006年07月01日 | 映画
脚本が76年のオリジナルと同じデヴィッド・セルツァー。原作者が脚色したのと同じことで、リメイクというより芝居の再上演みたいなもの。
もっともこのネタさんざん絞りつくされた末だから、どうしたってヴォルテージは上がらない。そうすると元のストーリーの設定や展開の無理がけっこう目立ってくる。
いくらなんでも、有力外交官ともあろう地位の人が自分の死産したという子をまるっきりチェックしないのか、とか、素性のわからない子をいきなり養子にするか、とか、紹介所からの正規の書類を持っていない乳母を雇うか、とか。
イキオイで見せるってわけにはいかないのですね。

時代が現代に移っているので、9.11やイスラエルのシーンでやたら銃を持った兵士が目立っているところ、そしてバチカンが予め悪魔の子が誕生しているのを知っていて、結局ぜんぜん手を打てなかったというシーンが追加されている。
そうなるとしきりと悪魔の子の存在を警告する、見るからに異端の神父(ひいきのピート・ポスルスウェイト)などバチカンと関係あるのかというと、これが全然関係ない。そのあたり明らかに変。ラストを変えて、悪魔の子がバチカンの神父の養子にでもなるのかと思った。ンなわけないが。

悪魔の子が大統領になりそうになるという旧三部作の流れが、現実で実現しているのかもと言いそうな雰囲気。実際、アメリカを狙うテロリストは本気でそう思っているはず。

元のストーリー展開がきっちりしているから、さほど退屈はしない。さまざまな見せ場もグラフィックに華やかめになっている。
ミア・ファローが悪魔を守る乳母というのは、あんまり「ローズマリーの赤ちゃん」を引きずりすぎたキャスティングで、かえって嬉しくない。素でキモチ悪い感じなのだね。

エンド・タイトルの音楽でいきなりオリジナルのジェリー・ゴールドスミス作曲「アベ・サンターニ」が出てきたのにはびっくり。リスペクトってことですか。
オリジナルが音楽で乗せてたとこが大きかったのがよくわかった。
(☆☆★★★)



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