アルモドバル映画としては派手な色彩はかなり後退し、お話映画としての魅力が大きくて、短編小説をつないで脚色したというのに次にどうなるのか、前に描いていたことがこうつながるのか、といった展開の繰り出し方と拾い方が巧みで飽かせず、手紙を書くという古典的な形式をとりながらいつのまにか現代の、それも日本のオウムを思わせるような身近な闇に若い人が落ち込むに至る簡単には説明できない心情がいつのまにか醸成している場に足を踏み入れているのにぞっとさせられる。
ヒロインが結婚する相手が漁師で、船を三つ持っていて相当な金持ちというのが日本の漁師とかなり違うところ。スペインの漁師というのはああいうイメージなのか。
(☆☆☆★★★)
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映画『ジュリエッタ』 - シネマトゥデイ
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