2015年6月20日(土) 午後7:00~午後8:50(110分)
ジャンル ドキュメンタリー/教養>社会・時事
映画>洋画
ニュース/報道>海外・国際
番組内容
難民キャンプの少年少女が監督・撮影した短編映画8本。映画本編とメーキング。本編はISに襲われた妹の心、薬を探す少年、歌をやめた少女など。映画作りの背景も紹介。
詳細
難民の少年少女が自ら撮った短編映画8本とメーキング。シリア、イラク北部に過激派組織ISに町を追われたクルド民族の難民キャンプがある。5か所のキャンプで子どもの映画学校が開かれ100人が参加。仕掛けたのはクルド出身イラン人映画監督ゴバディ氏だ。傷ついた子らの心を支える試み。台本も、撮影も、演技も、子どもの手で。テーマはISに襲われた妹の心、薬を探す少年の困惑、歌うのをやめた少女の決意など。
出演者ほか【出演】映画監督…バーマン・ゴバディ,【語り】斉藤茂一
クルド映画、というとまずユルマズ・ギュネイの作品が浮かんでしまうのだが、約30年前と事情が変わったところと変わっていないところと、両方あることがわかる。相変わらず国がない少数民族である一方で、トルコでは政党を持つようになったりしている。
日本もこういう映画作りの授業というのを中学くらいの一般の授業でやるといい。絵や音楽の技術を身につけるより易しいし、一種の真空地帯になっている学校の内部を外からもわかるようにする一助になるかもしれない。
Shangal's beloved
隔離されたキャンプの外にフェンスを越えて出ていってぴゅんびゅん飛ばしている車の間を縫って空き缶を道路に置いていく。
車に踏まれてひしゃげる缶。それをじいっと見ているISに乱暴されたという妹。何か暗示的な表現。
The Search of the truth
14歳の女の子がカメラをキャンプの人々に向けて話を聞いていく。三脚を用意するところから始まるが、それをまた別のカメラが撮っているフレームに出入りするちょっとメタフィクション式の仕掛け。
「先進国」側の報道と話している内容はそれほど違っていなくても聞こえ方が変わる。ちらっと片腕であることがわかる。
Our film is better
アメリカ製の戦争映画の上映を見る子供たち(画面にぼかしがかかっていてどんな映画だかわからない)。見えない分、「アメリカ川の視点」の存在がこちらの認識に楔のように打ち込まれていく。
bread and yogurt
ここでも当然のように義手をつけた大人が現れる。タイトル通りパンにヨーグルトをつけて食べるのが珍しい。それ自体どうということもなさそうだが、難民キャンプにあると奇妙に珍しく見える。
映画の指導をしている大人がすごい剣幕でマジメにやれと子供たちをしかりつけている。なんでこんなに怒るのかと思っていると、その光景を撮っていたカメラに向かって、そのカメラを持ってきなさいといきなり言いつけるために、それまで叱っていたのも芝居ではないかと思わせてしまう。
Toward home
子供たちが自分の住んでいた家のあたりを探しにくるが、周辺は見渡す限り廃墟になっている、その光景のすさまじさ。墓すらちょっと掘り返して板を上に渡しただけみたいな作り。
自身国際的な名声を得ている監督であり、このプロジェクトの指導者であるバーマン・ゴバディがインタビューで「将来子供たちが銃をとらないよう、今カメラを持たせているのです」(どちらも英語だとShootだ)「先進国が民主主義を唱えるのに腹が立つのは、民主主義に必要な子供の芸術を無視していることです」と語る。
本ホームページ
ジャンル ドキュメンタリー/教養>社会・時事
映画>洋画
ニュース/報道>海外・国際
番組内容
難民キャンプの少年少女が監督・撮影した短編映画8本。映画本編とメーキング。本編はISに襲われた妹の心、薬を探す少年、歌をやめた少女など。映画作りの背景も紹介。
詳細
難民の少年少女が自ら撮った短編映画8本とメーキング。シリア、イラク北部に過激派組織ISに町を追われたクルド民族の難民キャンプがある。5か所のキャンプで子どもの映画学校が開かれ100人が参加。仕掛けたのはクルド出身イラン人映画監督ゴバディ氏だ。傷ついた子らの心を支える試み。台本も、撮影も、演技も、子どもの手で。テーマはISに襲われた妹の心、薬を探す少年の困惑、歌うのをやめた少女の決意など。
出演者ほか【出演】映画監督…バーマン・ゴバディ,【語り】斉藤茂一
クルド映画、というとまずユルマズ・ギュネイの作品が浮かんでしまうのだが、約30年前と事情が変わったところと変わっていないところと、両方あることがわかる。相変わらず国がない少数民族である一方で、トルコでは政党を持つようになったりしている。
日本もこういう映画作りの授業というのを中学くらいの一般の授業でやるといい。絵や音楽の技術を身につけるより易しいし、一種の真空地帯になっている学校の内部を外からもわかるようにする一助になるかもしれない。
Shangal's beloved
隔離されたキャンプの外にフェンスを越えて出ていってぴゅんびゅん飛ばしている車の間を縫って空き缶を道路に置いていく。
車に踏まれてひしゃげる缶。それをじいっと見ているISに乱暴されたという妹。何か暗示的な表現。
The Search of the truth
14歳の女の子がカメラをキャンプの人々に向けて話を聞いていく。三脚を用意するところから始まるが、それをまた別のカメラが撮っているフレームに出入りするちょっとメタフィクション式の仕掛け。
「先進国」側の報道と話している内容はそれほど違っていなくても聞こえ方が変わる。ちらっと片腕であることがわかる。
Our film is better
アメリカ製の戦争映画の上映を見る子供たち(画面にぼかしがかかっていてどんな映画だかわからない)。見えない分、「アメリカ川の視点」の存在がこちらの認識に楔のように打ち込まれていく。
bread and yogurt
ここでも当然のように義手をつけた大人が現れる。タイトル通りパンにヨーグルトをつけて食べるのが珍しい。それ自体どうということもなさそうだが、難民キャンプにあると奇妙に珍しく見える。
映画の指導をしている大人がすごい剣幕でマジメにやれと子供たちをしかりつけている。なんでこんなに怒るのかと思っていると、その光景を撮っていたカメラに向かって、そのカメラを持ってきなさいといきなり言いつけるために、それまで叱っていたのも芝居ではないかと思わせてしまう。
Toward home
子供たちが自分の住んでいた家のあたりを探しにくるが、周辺は見渡す限り廃墟になっている、その光景のすさまじさ。墓すらちょっと掘り返して板を上に渡しただけみたいな作り。
自身国際的な名声を得ている監督であり、このプロジェクトの指導者であるバーマン・ゴバディがインタビューで「将来子供たちが銃をとらないよう、今カメラを持たせているのです」(どちらも英語だとShootだ)「先進国が民主主義を唱えるのに腹が立つのは、民主主義に必要な子供の芸術を無視していることです」と語る。
本ホームページ