「ギャグ監修 永六輔」というタイトルが出るのにびっくりした。別にコメディではないのだが、男ばかりの集団に若い女ひとりが漂着するというシチュイエーションからしてバンカラなユーモアは出た。
音楽が佐藤勝で南方戦線を舞台にしているせいもあって東宝の怪獣映画風でもある。これは日活映画だが、東宝で「独立愚連隊」が作られたのが1959年だからその流れを汲むものと言っていいのではないか。
戦争中の戦意高揚映画が意外なくらい敵をやっつけて万歳というものではないし、戦争の記憶が充分残っていた時期(この映画は1962年製作)作られた映画が反戦色が強いかというとそうでもない。
裕次郎が太鼓を叩いて兵隊たちが踊る場面なんてあるが、「無法松の一生」がリメイクされたのが1958年。
戦争について終わってすぐにはあまりに悲惨だったりして口に出せないようになっていたのが二十年近く経って少しづつ明るいコメディまじりの描き方を試みるようになったのではないかと推測する。
爆発シーンはのちに「二百三高地」を手がける舛田利雄らしく盛大なもの。