prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

ケン・ラッセルに関する断片的記憶

2011年11月29日 | 映画
英映画監督、ケン・ラッセルさん死去 http://t.asahi.com/4qc4  
東京ファンスティック映画祭で「白蛇伝説」が上映された時に来日した舞台挨拶で見た。赤ら顔で髪の毛が真っ白で機嫌のいいじいさんという感じで、英語の発音がすごく聞き取りやすかったのは意外だった。

淀川長治、今野雄二氏がラッセルマニア。
淀川さんの批評で「ルノワールの映画はどれほど心優しくてもすべて男の映画。ベルイマンの作品はどれほどこわくてもすべて女の映画」その続きで「ラッセルの映画はすべて女の映画」と演出感覚の肌ざわりに対する感覚の大事さを説いた。

「サロメ」のサロメを美少年(というほど美しくない)にして、股間に飾りがぶらぶらしている衣装をつけさせる、これもラッセルタッチ。

「恋人たちの曲 悲愴」は今はなき三鷹オスカーで見た。映画評論家・鶴田浩司氏 鶴田法男監督の兄弟の実家。「まぼろしの市街戦」と併映だった。
原題Music Loversはラッセルのモチーフそのもの。音楽愛から映画を作るような人だった。

「ボーイフレンド」が劇場リバイバルされたところが、すばる座で「午後の遺言状」が大入りだったため朝イチの上映になってしまったので見られなかったのは未だに痛恨。

どこまで本当か知らないけれど、「トミー Tommy」が日比谷スカラ座(昔の建物)で特設のスピーカーで大音量上映したら、下の宝塚にドンチャカ音が響いて抗議でボリュームを下げたとか。
QSクインタフォニックサウンド、と宣伝されたけれど、山水電気の磁気式4chで、今の5.1chに近い発想でしたね。

「アマデウス」の原作舞台にないクライマックスは、ラッセルの「夏の歌」で盲目の作曲家デリウスが鬼気迫る勢いで秘書の若者に楽譜の口述筆記させ、その精気を吸い取ろうとするかのようなドラマをヒントにしているとおぼしい。

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