prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「碁盤斬り」

2024年05月28日 | 映画
元の落語の「柳田格之進」には格之進に何かと絡んでくる根性曲がりの柴田兵庫(斎藤工)の話ってないのね。志ん朝版のYouTubeを聞いた限りでは、兵庫のキャラクター自体が登場しない。
これがないと碁の勝負ばかりで刀を抜いての立ち回りがなくなってしまうので、見せ場を作る関係上仇討ちの話に組み込んだか。

碁の勝敗というのは一見してわかりにくいので、クライマックスの兵庫との対戦は外野が譜面を写してああだこうだやりとりするシーンを組み込んで解説代わりにしているのが工夫。

碁の勝負を仕切る顔役の長兵衛(市村正親)の手下が刀を取り上げられた格之進の代わりに兵庫に次々とかかっていって切られるあたり、主人公が大勢に取り囲まれるというのはいやというほど見てきたが、かなり珍しい図式。

小泉今日子の吉原の女将が仏と鬼の二面を持った役で、女郎あがりの女将というのはこうもあろうかと思わせる貫禄がある。最近まで藝大美術館「大吉原展」が女郎を美化し過ぎと批判されていたのが記憶に新しいので、足抜けしようとした女郎が折檻されるのをそれほど生々しくはないが描いているのが期せずしてアンサーになった感。

格之進の娘の清原果耶といい感じになる男中川大志が五十両を着服したのかと勘違いしそうな描き方なので、五十両の行方がわかるところがちょっと拍子抜け気味になる。

草彅剛の顔の形って将棋の駒に似ているな。





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