prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「サニー 32」

2018年02月25日 | 映画
ピエール瀧とリリーフランキーという「凶悪」のコンビを再び使って若い女性の拉致監禁となるとまた凶悪ぶりのエスカレートを予想するけれども、それをうまく裏切って続けて出てくる連中がみんな見事にクズばっかであれよあれよと他にも広がっていく前半の展開が好調。

初めの方の伏線が思わぬ形で立ち上がってきて「サニー」が現れる中盤は非常に盛り上がって、ここで終わるのかと思ったくらい。
ただしここが盛り上がりすぎて、後の展開がちょっとすぼんだ感じになってしまった。

ヒロインの女教師が気にかけている女子生徒と大元の小学生女子同士の殺人というショッキングな出だしとの結びつきが、元の事件の動機がよくわからない(まさか小学生が人を殺すところを直接描けるわけがないが)暗示としてもわざと空白にするにしても座りが悪いせいもあって、やや形が先行して収まりすぎている感。

PCやモバイルカメラやドローンと言ったデジタルガジェットと承諾欲求の蔓延と都市伝説の誕生の描きかたはひとつのパターンとはいえ、場所が古びた小屋といったアンマッチの面白さもあって面白くできている。

新潟の冬の荒涼とした風景が生きている。
人が死ぬところで名前と死んだ時の年齢を出すのは「仁義なき戦い」みたい。
(☆☆☆★★)

「サニー 32」 公式ホームページ

「サニー 32」 - 映画.com



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