prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「プレステージ」

2007年06月23日 | 映画
野球でいうなら完封勝利目前でソロホームランを打たれて、勝つには勝ったけど、その打たれた一発の方が気になる、という感じ。

ニコラ・テスラなんてややこしい実在人物が出てくるからどう扱うのだろうと期待半分不安半分でいたら、妙にカルト的なファンがいるから気を使ったのか。それらしい架空の人物にした方がよくなかったか。調べてみたらテスラは変人ではあっても科学的業績はまともなはずだが。

その寸前まで久しぶりに騙される快感を味わって、さあこれであの伏線を拾えば完璧、ってとこで凡ゴロをトンネルするみたいに拾い忘れる。なんなのでしょうね。
複雑な構成で混乱させずに見せる腕、見事な美術、演技面などは堪能した。

トリッキーなストーリーテリングの方に目を引きつけておいて、実際は人気と実力のすれ違い、とか男同士の嫉妬といったどこの世界でも通用する普遍的なドラマとして成立させている腕は、内容はまったく違うがマイケル・ケインが出ているせいもあって「探偵・スルース」を思わせる。
(☆☆☆★★)




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