prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ヘレディタリー 継承」

2018年12月13日 | 映画
オープニング、ミニチュアの家の部屋のひとつにカメラが寄っていくと、その部屋がそのまま実際の部屋になってベッドに寝ていた一家の息子が起きる、というのが単なる導入部のつかみとしての視覚的なケレンだけでなく、この後も実際の部屋を撮りながら周到に模型のような錯覚を覚えさせるアングルをしばしばとることにつながってくる。

ここから一種の枠物語のような、表に出ているホラー映画としての結構の中にもうひとつ、ホームドラマとして、それも表立っては描きにくいような残酷なホームドラマとしての構造がはめこまれている。
いわゆるホラーの怖さより家族・血族の怖さ。

映画の文体を非常に細部に至るまで作り出そうと腐心している。
最終的にホラーとしての決着が一種の救いのように見えてしまう。

蟻の使い方など「アンダルシアの犬」っぽい。監督はベルイマンが大好きだそうで、アート志向が入っている感じ。というか、アートフィルムの演出は常套的な表現を食い破るものなのでホラーと案外食い合わせがいい。

「ヘレディタリー 継承」 公式ホームページ

「ヘレディタリー 継承」 - 映画.com

12月12日(水)のつぶやき その2

2018年12月13日 | Weblog

12月12日(水)のつぶやき その1

2018年12月13日 | Weblog