ここから一種の枠物語のような、表に出ているホラー映画としての結構の中にもうひとつ、ホームドラマとして、それも表立っては描きにくいような残酷なホームドラマとしての構造がはめこまれている。
いわゆるホラーの怖さより家族・血族の怖さ。
映画の文体を非常に細部に至るまで作り出そうと腐心している。
最終的にホラーとしての決着が一種の救いのように見えてしまう。
蟻の使い方など「アンダルシアの犬」っぽい。監督はベルイマンが大好きだそうで、アート志向が入っている感じ。というか、アートフィルムの演出は常套的な表現を食い破るものなのでホラーと案外食い合わせがいい。
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