prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「緑の馬車」

2017年10月07日 | 映画
ロシア映画祭にて鑑賞。
成功した映画監督だが仕事と女遊びで家庭を顧みなかったエゴイスティックな男が、息子が自殺したのをきっかけに、妻と知り合った学生時代から新婚、子供が生まれた時期を振り返るという内容。

もとより息子はすでに死んでしまっているからドラマとすると動かしにくいところを、男がしばしば自分が出演者になっている映画の撮影現場にいて、傷つき苦しんでいる自分をもう一人の映画監督としての自分が客観視しているという幻想が挿入され、ちょっと太宰治の「トカトントン」みたいで白けて皮肉であるとともに、自然な治癒作用のような感じを出しているのが技法的に面白い。
少し「8 1/2」風の幻想と回想の入り方に映像演出のセンスを見せる。

また映画大学で学ぶ息子が残した映像や手紙(書きかけのメールだが)などで息子が父親をどう見ていたのかわからせていく、と同時にどうしようもない悔恨が痛烈に出た。

彼の作品が米アカデミー賞の候補になるかどうかというあたり、ロシアでも気にしているのかと思わせる。

「緑の馬車」という歌が作中に流れるが、もともと歌の方が先でロシア人なら誰でも知っている歌らしい。

公式ホームページ

緑の馬車 予告編

ЗЕЛЕНАЯ КАРЕТА - Zelyonaya kareta


緑の馬車
(ЗЕЛЕНАЯ КАРЕТА)
緑の馬車
2015年作品/93分/ジャンル=ドラマ

あらすじ
ヴァディム・ラエフスキーは、お金待ちで、美女にもて、世間の評判が良い、有名な監督です。彼の新しい映画は、アカデミー賞に推薦されています。見た所、幸運につきまとわれていますが、一体、いつまでも恵まれるのでしょう。文字通り、あっという間に彼が慣れている世界はダメになります。ワジムは、起こった出来事を理解しようとするが、その調査が進めば進むほど、不快にさせる詳細が明るみに出ます。

スタッフ
監督 オレグ・アサドゥーリン
脚本 アルチョム・ヴィトキン
製作 レナート・ダヴレティアロフ、アンドレイ・アリケマ、グレゴリー・ポドジェメリヌィ
撮影 アンドレイ・イワノフ
キャスト: アンドレイ・メルズリーキン、ヴィクトリヤ・イサコヴァ、アレクサンドル・ミチコフ、セルゲイ・ユシュケーヴィッチ、ヴラジーミル・メニショフ、アンナ・チポフスカヤ

監督:オレグ・アサドゥーリン
ベルリン(ドイツ)の映画テレビ大学監督課を卒業しました。
ドイツにて活躍。ドイツにて映画「Locked」(「閉じた」)を撮影、そのモチーフでロシアの映画「フォボス」を撮影。

■作品
2016年 旅程を立てた
2015年 緑の馬車
2014年 コーポレート・イベント2013
2015年 船(全てのシーズン)
2013年 暗い世界:釣り合い
2012年 全寮制学校
2009年 奇跡(ウクライナ)
2009年 フォボス。恐怖のクラブ



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