ゴダールの常として、すごく心地いい時間と、ものすごく眠い時間とか代わる代わる現れる。
色彩と音響、あらゆるテクストの氾濫。
特典についているパトリス・ルコントのインタビューで、こう引用が多いのは特異で突出した表現しているのを奇矯な真似をしているのではなく、根本に古典的な教養があることを示したいからではないか、と推測していた。
主演のミレーユ・ダルクはこの出演で監督はまったく何も言葉をかけてくれず、不快な状況に放り込んで反応を引き出すみたいな演出をしていた、二度と一緒に仕事したくないとボロクソに言っていたが、映画になると画面にその不快さは写ってちゃんと表現になっているのだな、困ったことに。
製作当時（1967）とすると最新の素材であり手法だったわけだが、時間が経つとそれらはむしろ古典的な印象に収斂され、そういう題材に向かわざるを得なかった、手法をとらざるを得なかった作者の衝動だけが純化されて残る。
テロリストのイメージが今見るとヒッピーみたい。先進国のむしろ比較的恵まれた層の若者という感じ。
豚の屠殺シーンは本当に殺しているのだろう。今だったら動物保護団体が柳眉を逆立てそうだが、ラストの人肉食と当然つながっている。観念的な図式の産物なのだが、観念そのものが映画的であることと矛盾していない。
ゴダールは苦手で敬遠していることが多いのだが、ときどき見たくなる。何か突然あの音と色と光にさらされたくなるのだな。
それで突然好きになるわけではなく結構退屈するのだが、ときどき目がさめる想いをする。
家畜人六号【小暮 宏】 @yapoono6
裏ワロスwwwBOT @ura_wwwww_BOT