「燃えよドラゴン」以後のカンフー映画ブームに乗って「片腕ドラゴン」が公開される前のジミー・ウォングが出ている、というのが眼目の座頭市もの。タイトルには王羽と出て、ワン・ユーと振り仮名が振ってあった。
実はここでも片腕になっていて、もともと片腕というのが王羽のひとつのトレードマークになっていたらしい。
東南アジアでは座頭市が大いに人気を博していたというから共演が成立したのだろう。大物との共演としては三船敏郎の三十郎の時みたいな痛み分けにはならずちゃんと決着がつくが、負け役になるのに香港の客は納得したのだろうか。案外痛み分けになる別バージョンがあるかも。
香港でのタイトルは「獨臂刀大戰盲俠」。
クライマックスの立ち回りがカンフー調でかなり長いが、居合い抜きが得意な市としては不利なはず。目が見えてるんじゃないかという感じになる。
ダイニチ（大映と日活の共同配給網）配給だったはずだが、CS放映版には東宝配給のタイトルが出ていた。これが作られた1971年に大映はいったん倒産しており、これが大映が関わった最後の座頭市ということになり、この後は東宝配給になる。
てんぷくトリオ（三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗）が出演しているが、コメディ・リリーフではなく盲人役だったりしてシリアスな芝居。
家畜人六号【小暮 宏】 @yapoono6
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