prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「BIUTIFUL ビューティフル」

2011年07月23日 | 映画
死者が生者と同じ次元に棲んでいるあたり、ラテンアメリカ文学風でもあり、死んだら消えてなくなるというニヒリズムはあらかじめ封印されている。
また黒澤明の「生きる」にインスパイアされたとはいえ、生きている間に何かしら有意義なことのために生きるのを目指す(ということは、そうでなければ生きている価値がないということになりかねない)という方向も封じている。

生きていく上の苦しみそのもの、というより苦しみが即ち生きることといった厳しさをハピエル・バルデムが体現している。
54歳で夭逝したクルド人監督ユルマズ・ギュネイの「苦しみにも千の顔がある。人間だけが苦しめる存在だから」という言葉を思い出す。

移民問題は日本でもあるはずなのを見えなくさせられているが、いずれイヤでも噴出するだろう。

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