prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「その土曜日、7時58分」

2008年10月20日 | 映画
フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークの兄弟では全然似ていない(どう見ても弟の方がいい男)のだが、それがドラマの内容にも関わってくるあたり、巧妙なもの。
貧乏人も金持ちもそれぞれに尻に火がついているあたり、まことにシリアスな状況。これが今のアメリカかと思わせる。

時制を交錯させながら、皮をむくように事件とともに人物と骨肉の争いを明らかにしていく展開が巧みで、最初被害者の可愛そうな遺族としか見えなかった老父役のアルバート・フィニーが次第に過去を暗示させる鬼神のような顔を見せるに至るラストは、すごく怖い。

内容のせいもあるが、シドニー・ルメットの演出は年齢を重ねて一段と苛烈になったよう。
これだけ俳優を使いこなせる監督、今のアメリカにどれくらいいるだろう。
(☆☆☆★★★)


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